2019/03/08 映画イロイロ
ここ最近は仕事が忙しくて新作映画を劇場で観る気にならず、休日は引きこもってアマプラのウォッチリストを淡々と消化したり、ひたすら惰眠を貪ったり、近所のネカフェでマンガ読んでました。
めちゃくちゃツボったマンガが押見修造先生の『惡の華』と、えすのサカエ先生の『未来日記』です。
どちらもブッ壊れ狂乱ヒロインが貴方の心を蹂躙してくれること必至です。
『惡の華』は今年、実写映画化されますので是非どうぞ。
まぁともかく…
仕事が少し落ち着いたころ、映画熱が再燃して劇場へと向かいました。
アカデミー賞作品賞を受賞した『グリーンブック』も気になっていたのですが、『肌の色』を扱った作品は日本とメリケンのソレとは感覚が違うわけですし、何より
「地味でイイ話にカネを払うのはもうイヤなんじゃい!」
(大意…「どうせちょっと待てばアマプラやネトフリで配信されるし」)
とばかりに、『翔んで埼玉』、『アリータ:バトル・エンジェル』、そして『スパイダーマン:スパイダーバース』を立て続けに観てきました。どうせカネを払うなら娯楽作ですよ。
1本目は『翔んで埼玉』です。原作は30年前に発表された、時代を先取りしすぎた地方(?)ディス漫画でして、主役2人を演じるのは沖縄県出身のGACKTと二階堂ふみ。もう何が何やら…。
埼玉をディスっているのかと思いきや、実は大いに千葉県も巻き添え食らっているわけで、生まれも育ちも神奈川県のオレとしては高みの見物でした。
ところどころでクッソ笑ったのですが、もうちょっとギャグに振り切ってもよかったかな…というのが正直な感想です。
まぁ、あんまりローカルネタが過ぎると埼玉県民以外にはウケないでしょうし、ディスりが激し過ぎるとマジでクレームが来るわけで、制作側もサジ加減に悩んだかと思われます。
「町田は神奈川」とか「福岡は修羅の国」とか、そういう冗談が全く通じない人がいますからね。オレも多摩川に沈められないように気をつけます。
まぁ、後発の地方ディス漫画で唯一成功した『お前はまだグンマを知らない』みたいに、「愛あるイジり」が許されるのは一部の方々だけのようですね。
兎にも角にも、興行収入が10億円を突破した話題作なので、観る価値はあるかと。
2本目は『アリータ:バトル・エンジェル』です。
原作は日本のコミックである『銃夢』であり、『ターミネーター』や『アバター』を監督したジェームズ・キャメロンが実写映画として制作しました。
原作ファンには大変な高評価を得ている作品ですが、原作が30年前の作品でして、原作に一ミリも興味ないオレとしては少々不満の残る出来でした。
まず何より一本の映画として完結してませんし。
「次回へ続く!」みたいな幕引きで、歯切れの良いエンディングは迎えていません。まぁ興行収入は惨憺たるモノなので、続編は作られないと思います。
おまけに原作が古いだけに、ディストピアや戦闘美少女など、後発のマンガで散々目にした要素に目新しさを感じることができず、数年前に100億円の赤字を出したハリウッド版実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』を思い出しました。(原作は1989年初出の『攻殻機動隊』)
『アバター』の超絶ヒットゆえに実写企画が先送りとなり、今頃になってようやく映像化された本作ですが、15年前に映像化されていたなら評価も変わったことでしょう。
上記の『翔んで埼玉』が同様に30年前の作品でありながら超絶ヒットしていることを鑑みると、クラシックな原作の映画化においては、忠実な映像化よりもむしろ、どれだけ上手くアレンジしているかがミソではないのでしょうか。
『翔んで埼玉』の原作は未完なので、手を加えやすかったのは間違いありません。
そして3本目である『スパイダーマン:スパイダーバース』です。
ちょっと前に「予告編がソソられないから観ないかも」とか言っていたのですが↓
https://strawdog48.hatenablog.com/entry/2019/02/08/235159
3月1日から3日間の先行上映が始まるやいなや、SNS上で絶賛の嵐が巻き起こり、そんなにスゴイなら観てみるかと…。
えぇ、コレは凄かった。アメコミ特有の画作りに抵抗がある方には目がチカチカするかもしれませんが、凄まじい映像体験ができるという意味では一見どころか三見くらいの価値はあります。
今作はコミックのアニメ化とも、映像化とも少し違います。
正しくは『コミックとアニメーションの融合』とも言うべき映画であり、正直なところ、その斬新過ぎる映像表現を上手く説明できません。とにかく観た方が早いです。
映画の主人公であるスパイダーマンも、お馴染みの赤タイツ姿だけではなく、今作では複数の多次元宇宙(マルチバース)からやってきた異なる5人のスパイダーマンが参戦します。
いや、オマエ絶対スパイダーマンちゃうやろ…って奴もいるのですが、実はどのスパイダーマンも原作コミックに登場しています。
アメコミってのは死んだキャラが御都合主義で復活したり、話が長期化するとリブート(仕切り直し)したり、全然違うキャラが2代目3代目を襲名したりと、なんでもアリの世界です。
今作のスパイダーバースは、3度もリブートされた実写映画版とは違う趣の、アメコミの世界観をそのまま押し出した新たなスパイダーマン映画となっております。何もピーター・パーカーだけがスパイダーマンじゃない…それはつまり、
「キミだってスパイダーマンになれるんだよ」
というメッセージが込められた作品になっております。
まぁそんなメッセージを読み取れるかはどうでもよく、とにかく冒頭からラストまで飽きさせない作りの娯楽大作となっております。
吹替版と字幕版、お好きな方をどうぞ。
さて、来週は大本命である『キャプテン・マーベル』が公開されますね。マジで楽しみです。