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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2019/10/19/『ファイトクラブ』

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きのう『ジョーカー』2回目キメてきました。
えっ?JKと2回もキメてきたって?そりゃ逮捕だ逮捕。


…って、しょっぱなからゲスいジョークをキメてすみません。ジョーカーだけに。


まぁIMAXの大画面で不健康そうなジョーカー様のご尊顔を拝むのは最高に陰鬱になるわけでして、同時にこの5分に1回タバコを吹き散らすやべーヤツに心酔してしまうので間違いなくこの映画はヤバいです。特に禁煙中の方は絶対に観ちゃダメです。禁煙5年目のオレでもちょっとツラかったですもんマジで。


『IT イット THE END–“それ”が見えたら、終わり。』も間もなく公開なので、今年のハロウィンはピエロのコスプレ必至な訳ですけど渋谷とか絶対に近づかない方がいいです。ジョーカーに感化されたやべーヤツが絶対に紛れてるはずなので。

ガチで。

 

 

まぁともかく…。

 

 

 


2019年は映画『ファイトクラブ』20周年の年!


同じく『マトリックス 』も今年20周年を迎えたので、既にマトリックス の記事は今年のうちに書いておいたのですが↓

 

strawdog48.hatenablog.com

やはり『ファイトクラブ』もまた、90年代最後の大問題作として欠かすことができないのです。

 

ファイトクラブ』…ブラット・ピット主演のバイオレンス映画にして、公開当時大ゴケした映画です。
しかしながらコアな映画ファンにジワジワと支持され、現在もなおこの映画の信者を生み出しているカルト映画です。
かくいうオレも『タクシードライバー』と同じく50回くらいは観ましたし、大学時代にミクシィファイトクラブオフ会に参加して地下室で殴り合った覚えがあります(クッソ楽しかった)。


何よりブラット・ピット演じるタイラー・ダーデンのカッコよさと来たら!
公開から20年経った今でも、彼のカリスマ性に惹かれないオトコノコはいないでしょう。

 


で…この映画なのですが、未見の方々からは単なるケンカの映画か、もしくはボクシングの映画だと勘違いされました。
確かに殴り合う映画ではあります。しかしながらこれはむしろ”一方的に殴られる映画“なのです。


殴られ、打ちのめされ、血反吐を吐き、その痛みを通じて強烈に”生“を実感するアブナイ映画なのです。
だからこそこの映画は”痛み“を伴います。目を背けたくなるほど痛々しいシーンもあるR15指定の”劇薬“なのです。

 

 


大手メーカーに勤め、死んだように仕事をし、不眠症に悩まされる主人公。物欲と消費が唯一、乾いた心を癒してくれる。
1人で高級マンションに住み、ブランド物の家具を揃えて、束の間の安息を得る…そんな空虚な日々を文字通り”ぶっ壊してくれる“存在が、タイラー・ダーデンだったのです。


「お前は“モノ”に支配されている」


そう語るタイラーは、住処を失った主人公を泊めさせるかわりとして、ある条件を差し出す。それは…


「オレを力いっぱい殴ってくれ」

 

 


…というのが映画のあらすじなのですが、何の疑いもなく奴隷のように働き、必要もないモノを買わされるだけの人生に強烈に揺さぶりをかける作品です。


要するに消費至上主義社会に警鐘を鳴らし、相手や己自身と闘うことで生きていることを実感させることがこの映画のテーマなのですが、タイラー・ダーデンを崇める信者が暴走し、街を混乱の渦に追い込む映画後半はあんまり面白く無いです。
とは言え、名言も見所も非常に多い作品ですので、未見の方はぜひとも今すぐ鑑賞していただきたいです。
Amazonプライムビデオならタダで観れますよ。

 

 

…んで公開から20年経った今、技術の進歩によって『モノに縛られない生き方』はずっと容易になりました。


オレ自身はブランド物の服や高価な家具に全く興味がないのですが、数年前まで大量の映画のブルーレイや本に埋もれて生活していました。


Amazonプライムビデオと電子書籍の存在を知って、部屋にあったブルーレイと本のほとんどを処分しました。
本棚だけでなく、テレビも捨てました。今はタブレットスマホで好きな本が読めて、観たい映画が観られるのです。
バイクも手放しましたが、今はバイクもレンタルできます。車もカーシェアができて所有する必要がありません。


服だって今はメルカリで手軽に売買ができるので、着ていない服がクローゼットを占領することもありません。
ユニクロもオレが学生の頃は「ダサい」と言われていましたが、今は誰もダサいと言いません。量産された安くてシンプルな服を着ても揶揄されない時代が来たのです。加えて今は不景気ですから、高い服を着なくたって恥ずかしがる必要もないのです。安い服を着たところで誰も笑ったりしませんから。


依然として消費はしているかもしれない…でも所有はしないし、所有しても嵩張らない、或いはこれまでよりずっと簡単にモノを手放すことができる時代に我々は生きています。


また、映画ではジムでのトレーニングを否定してましたけど、体を鍛えることは自身の健康だけでなく、脳の発達を促すことが明らかになっています。そして運動により分泌される脳内麻薬が、アナタを自信に満ちた立派な雄に変えてくれます。
何も戦う必要はないです。筋肉がつけば“戦わなくたって勝てる”のですから。


また劇中では酒とタバコと嗜んでいたブラット・ピットも、現在ではスッパリと酒タバコを絶ったみたいです。
まぁ酔って息子に暴力を振るい、離婚に発展したことがそもそもの原因だったわけですけど。
でも健康になって得た物は多いようです↓

https://www.vogue.co.jp/celebrity/news/2017-05/05/brad-pitt
https://front-row.jp/_ct/17300231

 

要するに今の若い人たちがこの映画に触発されたなら、この映画のように自分の家を吹っ飛ばしたり無理してタバコ吸ったり酔っ払って殴り合う必要はないわけです。より健全に体を鍛え、モノに縛られずに質素に生きていくことで、この映画のメッセージを幾分かは体現することができると思います。


まぁ、タイラーの言う「すべてを失って自由を得る」という境地に達するには、本当に何もかもを捨ててみる必要があると思いますけどね。


とりあえず、まずは皆さま『ダンベル何キロ持てる?』を観てからジムに入会してみてはいかがでしょうか?↓


TVアニメ「ダンベル何キロ持てる?」OPテーマ Muscle Video

 

 

ファイト・クラブ〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)

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