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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2020/05/17 映画館に行く理由

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アニメ映画『若おかみは小学生!』が地上波で初めて放送されたようで、それなりにツイッター上では反響があるみたいですね。アタクシも久々に観返しましたが、つくづく良い映画だなと思いました。

 

以前に感想を書いてますのでよろしければどうぞ↓

 

 

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まぁともかく…。

 

 

 

緊急事態宣言が39県で先日解除され、一部の映画館も感染対策を施した上で営業を再開しています。とはいえ、新作映画はほとんど公開されていません。

アタクシが観たかった『ブラック・ウィドウ』や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は11月まで延期、『ワイルドスピード/ジェット・ブレイク』も来年4月までお預け、『ワンダーウーマン1984』も6月公開予定から公開日延期に変更されました(8月あたりを予定しているらしいですが)。

 

穴埋め的に『シン・ゴジラ』やら『君の膵臓を食べたい』、『君の名は。』などの過去の作品が公開されているのが現状ですが、すべて配信かレンタルで鑑賞できるのでいま映画館に行くメリットはありません。映画館の雰囲気が好きな方、“見て応援!”な方が足を運んでいます。

 

 

そんな中、動画配信サービスがますます人気です。この自粛期間中、配信サービスの便利さに開眼した人も多いでしょう。ネットフリックスの株価は今年の4月に過去最高額に達しました。

「ネットフリックス?なにそれ?」だった方も新規加入して映画三昧(またはドラマ三昧)のステイホームを送っていると思います。月額1000円前後で映画もドラマもアニメも見放題、ネットフリックス制作によるオリジナルコンテンツも面白いです。

月額1000円も出せないという方はアマゾン会員になって『アマゾンプライムビデオ』を利用するのがいいでしょう。こちらは月額500円でコスパは高いです。作品の入れ替わりが激しいですけど。

 

 

「もう映画館に行く必要なくね?」

月一以上映画を見に行く熱心なファン以外はそう思うでしょう。俺も正直そう思ってます。

3月20日に公開された『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』は5月22日にネットで配信されます。劇場公開からたった2か月ですよ⁉ 去年に大ヒットした『ジョーカー』も公開から3か月でネット配信されましたが、公開から配信までのスパンは近年、どんどん早まっていると感じます。劇場なら一回1900円、配信なら2500円で見放題です。20年映画ファンやってる身としては、この現状をアホらしく思っています。とかブツクサ文句垂れつつ映画館に行くんですけどね。

 

 

見放題、高画質、巻き戻しも早送りも一時停止も自由自在、スマホでいつでもどこでも鑑賞できる…そんな“おうち映画”の鑑賞環境が快適になればなるほど、映画館の存在意義が問われるのです。もちろん、新作映画が公開されるからこそ映画館に行くのですが、『Fukushima50』のように1900円で新作を有料配信する方法だってあります。そうなれば映画館に行く必要も無いでしょう。

 

ましてコロナ禍で経営悪化の一途をたどっている映画館ですから、レイトショーや各種サービスデーの廃止、映画料金の値上げだって考えられるのです。映画料金1900円でもかなり高いのですから、ますます映画館離れは加速する可能性があります。

 

 

改めて映画ファンは問われるのです。「映画館に行く必要はあるのか?」と。

 

25年来の映画ファンのアタクシですから、アタクシの答えはもちろん「イエス」です。

今時映画館なんて時代遅れだという方も多数いるのは事実ですし、まぁジジイの戯言だと思って読んでいただいて構いません。

 

 

映画館で観ることは、月並みな理由ですが『大きな感動体験をしたい』からです。部屋に引きこもり、小さなタブレットで観ても感動する映画は山ほどありますが、電車を乗り継いで劇場へ足を運び、大きなスクリーンで観た時の感動は“おうち映画”の比ではありません。

 

 

それはただ単にスクリーンがバカでかいからというだけではなく、「劇場へ行く」という運動を通じて感動が肉体に刻まれるからです。記憶は肉体への負荷を通じてより強固になるのです。運動すると脳が活性化するのと理屈は一緒です。

 

それは「面白かった」という“快”の記憶だけでなく、「つまらなかった」という“不快”の記憶も強化します。わざわざ都内のミニシアターまで足を運び、ガラガラの劇場で観たマイナーな映画が椅子から転げ落ちそうになるほどつまらなかった…そんな経験はあります。

でも、「つまらなかった」という感想もまた、感動の一種なのです。心が動いたと事実に変わりは無いのですから。何なら「クッソつまんねー!金返せ!」という経験は飲み会のネタになるしブログのネタにもなります。それなりにおいしいのですよ。

 

 

また、映画館で観るという行為は、『何を観るか、そして何を観ないのか』という選択でもあるのです。新作映画の予告編を観て、上映時間、上映期間、上映場所を調べ、仕事やほかの趣味とを天秤にかけ、大して安くもない映画料金を払って劇場で観る…多くの選択と判断を通じて、一本の映画を見に行くのです。

 

新作映画は毎週、何本も公開されます。カネも時間も有限なのですから、当然ながら“敢えて観ない映画”なんて山ほどあります。劇場で年間500本も観るマニアも世の中にはいるそうですが、オレには無理です。

 

この『観ないという選択』もまた重要な選択なのです。自分はどんな映画が好きで、どんな映画が好きじゃないのかという自分の趣味趣向を養うこともまた、映画館で観るという行為を通じて行われるのです。

 

「それってネットフリックスやアマゾンプライムビデオでも一緒じゃね?」という人もいるでしょう。全然違います。定額見放題でなおかつ、つまらなければ5分で中断できる配信映画と違い、面白くてもつまらなくても一本1900円を払って(基本的に)最後まで観るという劇場鑑賞スタイルは、文字通り一回一回が“勝負”なのです。一回に賭ける重みが違います。時間とカネをかけ、つまらない映画に涙することもまた“感動体験”ですが、できれば「面白かった!」と胸いっぱいになりたいのが本音というもの。できるだけ面白い映画を選ぶために、予告編やポスターや前評判で、観るべき映画を厳選するのです。

 

そんなわけでアタクシはハリウッド製アメコミ映画とガンアクション映画と新海誠アニメには惜しまずカネを払いますが、ディズニーアニメとインド映画と低予算臭漂う邦画は殆ど観ません。評判が良ければ配信で観ますけど、わざわざ映画館で観るということは滅多にないです。人の趣味趣向ってのは、偏ってる方が面白かったりするもんですから。

 

そんなわけで、神奈川県の緊急事態宣言が解除され、夏に新作映画が封切られた暁には、また映画館に足を運びたいなと思います。もう自粛生活には飽きちゃいましたもん。

 

 

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