2021/07/13『セッション』極上音響上映
立川シネマシティにて『セッション』極上音響上映バージョンを観てきました。
ポンポさんプロデュース!「セッション」「タクシードライバー」を立川で極上音響上映 https://t.co/Ojj4zgnTXp #映画大好きポンポさん #ポンポさん
— 【上映館拡大決定!】『映画大好きポンポさん』公式 (@pomposan) July 2, 2021
『映画大好きポンポさん』の主人公、ポンポさんの好きな映画として、この『セッション』が立川シネマシティにてコラボ上映されているわけですが、改めてこの映画の凄まじさを思い知りました。
そして、この映画が大好きというポンポさんが凄まじい。
パワハラ気質だろ、この幼女。「フレッチャー先生がカッコいい!」とか言っちゃうし。
まぁ今作は間違いなく映画版『映画大好きポンポさん』に大きく影響を与えています。
劇中劇の『MEISTER』に登場する、老いた天才音楽家のキャラ造形はフレッチャー先生まんまですし、「何かを残すために、ほかのすべてを切り捨てる」という後半の編集シーンは、生活のすべてをジャズに捧げた主人公ニーマンの心情とシンクロしています。
『ポンポさん』ファンの方で『セッション』を観ていない方は、ぜひともアマゾンプライムビデオで観ておくといいでしょう。
そんなアタクシも、『セッション』はDVDやブルーレイ、配信で幾度と無く観た映画ですので、当然ながら大好きな作品です。
もう、『フルメタルジャケット』のハートマン軍曹さながらの罵詈雑言と暴力…平手打ちするわイスを投げつけるわ、教師としては間違いなく失格のフレッチャー先生。今だったらソッコーでSNSに晒されるでしょう。
主人公ニーマンも、プライドがズタズタになりながらも必死で練習し、文字通り血が滲むほどの努力をします。やがて全てをジャズに捧げるために、付き合い始めたばかりの恋人にも別れを切り出します。あんなにカワイイ女の子を振るなんて、罪な男だぜ。
『寝食を忘れて何かに没頭する』ということ。『全力で目の前の物事に打ち込む』ということ…パワハラ描写を不快感を覚える人でも、ニーマンのひたむきな姿に共感を覚えるのではないでしょうか。
そして、決してパワハラは許されるものではないですが、厳しい指導の下で大きく成長することがあるというのも事実です。まぁオレ自身が昭和の男であり、かつて勤めたブラック企業でメチャクチャしごかれたからそう思うわけですよ(マジでフレッチャー先生みたいな上司がいた)。
もう一度言いますが、けっしてパワハラや暴言は許されるものではありません。劇中でも、フレッチャーの元教え子が鬱病を患って自殺しています。スパルタ教育を美化しているわけではないってことは、デイミアン・チャゼル監督も分かっています。
オレ自身もスパルタを経験したため、自分の部下に心無い暴言を吐いたことはあります。そのたびに謝罪はしましたが、それなりにオレを恨む人は多かったと思います。傷つけられ続けた人間は、他の誰かを傷つけずにはいられないのです。
この令和の時代においてもなお、どこかの学校で、どこかの会社で、どこかのサークルで、スパルタな指導は行われているでしょう。できることなら、そんな指導は無いほうがいいでしょう。
でも、そういう厳しい世界があるってことも事実です。ツラいのなら諦めるか、辞めるしかありません。それも人生です。
ま、そんなわけで、『ヤサシイ世界』で生きている方々は、一度はこの作品を”修行”だと思って観ておくといいでしょう。10代の頃に観ておくと、人生観が変わるかもしれません。