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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2021/07/25 タクシードライバー

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ポンポさん✕タクドラという衝撃コラボ

先日、立川シネマシティにて『タクシードライバー』フィルム上映版を鑑賞してきました(7月25日現在、上映期間は終了済み)。

 

アタクシは『タクシードライバー』が大好きでして、テレビ放映から始まり、VHS、LD、DVD、BD、配信を合わせて50回以上は観てます。そんな映画を映画館で拝めるなんて!しかもフィルム上映とは!

 

『映画大好きポンポさん』が映画化されなかったら実現しなかったかもしれない。ありがとうポンポさん。タクドラをスクリーンで拝めるなら、映画代と交通費なんて惜しくない!(とか言いつつ会員割引1000円で観たけど)

 

今回、フィルム上映ってことで、フィルム特有の埃っぽい映像、ボケた字幕、シーン切替時に右上に表示される白い〇印(『ファイトクラブ』で言うところの”タバコの焦げ跡”)、などなど、ブルーレイや配信の映像にすっかり慣れた昨今、新鮮な気持ちで名画の雰囲気を堪能しましたよ。

 

もう何十回も観てるからこの映画で新しい発見は無いと思っていたんですけど、ありましたよ。主人公トラヴィスがベッツィーやアイリスとカフェで食事をするシーンなんですが、どちらのシーンも、テーブルを挟んで対面で向き合ってないんですよね。

 

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ベッツィーとの食事シーン

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アイリスとの食事シーン

このシーンの不自然さに今まで全く気づきませんでした。これってトラヴィスの、女性に対するねじれや拗れ、コミュニケーション不全を表してるんですよね。

「あなたみたいな人は初めてよ」とベッツィーからは呆れられ、「おかしいのはわたしとあなた どっちのほう?」とアイリスからは笑われる。この似通ったやりとりの意味に今頃になって気づくオレ。有名な映画だから、たぶん誰かしらがこのシーンの意味を指摘してるとは思うんですが、オレにとっては新しい発見でしたハイ。

 

それにしても…トラヴィスってコミュ障ですけど、ダメ人間じゃないですよね。

不眠症とは言え、週6~7でバリバリ夜勤で働くし、ベッツィーみたいな美人をいきなり口説いちゃうし(しかも初デートでエロ映画を観に行くっていう)、銃を手にした途端にスパッと禁煙&筋トレ、さらにスリーブガン(袖に隠した銃)の固定具まで自作しちゃう。この迷いの無さ、憧れます。

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全世界の少年が憧れたスリーブガン(ジャキーン!)

そして最後はモヒカンになってカチコミじゃあ~!…って、テロ礼賛っぽく聞こえるのでこの辺にしておきますけど、孤独がトラヴィスを蝕みさえしなければ、彼はけっこう社会に貢献できたと思うんですよね。普通にスペック高いと思いますし。

 

まぁでも、孤独にして孤高だからこそ、トラヴィスは今でもオレにとってヒーローなのですよ。オレが好きなのはロバート・デ・ニーロじゃなくて、トラヴィスなのですよ。