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2021/08/10 何とかならんかったのか『スーサイド・スクワッド』

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クインちゃん目当てで観に行ったのはいい思い出

 

8月13日(金)から『フリーガイ』『ドントブリーズ2』『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』と、大作映画が一挙に3本も同時公開されます。

 

13日の金曜日ならそりゃもちろん『ドントブリーズ2』って言いたいところですが、アタクシは『ザ・スーサイド・スクワッド』を予約しました。前作と違ってR15指定なので、血みどろバイオレンスはこちらで堪能しようかと。

 

スースクはもちろん前作を観ています。予告編のカッコよさに痺れて公開初日に映画館に突っ込みましたよ。


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予告編”は”、超面白かった…まぁ映画ファンの皆様ならそこに異論はないハズです。

劇場で観たアタクシは、さすがに寝たりはしなかったものの、「早く終わんねぇかな…」と退屈しておりました。館内持ち込み禁止なのは重々承知しつつ、眠気覚ましにフリスクをひたすらボリボリ噛んでました。

 

厳重警備下にいる極悪犯罪者集団が暴れまくるお話とくれば、まぁ誰が撮ってもそれなりに面白い作品になるのは想像に難くないですし、予告編の出来が素晴らしい以上、それはそれは本編は面白い作品になるだろうと期待するのは当然じゃないですか。

 

…どうしてこうなった。

 

まぁ色々言いたいことがありまして、1つ目は、スーサイド・スクワッドの面々が極悪人集団には見えなかったことですよね。けっこうお行儀がいいというか、何なら守秘義務で身内を即座に打ち殺した黒人の女ボスのほうがよっぽど極悪じゃね?って思いましたよマジで。生殺与奪の権を握っているお役人からすれば、スースクなんて虫けらの集まりなのですよ。

 

2つ目はバイオレンス控えめだったこと。『マン・オブ・スティール』から始まる一連のシリーズである『DCエクステンデッド・ユニバース(略してDCEU)』の1つであった『スーサイド・スクワッド』ですけど、この作品だけレーティングを上げるわけにはいかなかったんでしょうね。犯罪者集団のバイオレンス全開アクションが堪能できるかと思いきや、血もロクに流れないヌルいアクションに終始してしまいました。オレは『パニッシャー ウォー・ゾーン』みたいな残虐アクションが観たかったんだよ!

 


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続編の『ザ・スーサイド・スクワッド』はR15指定でゴア描写満載らしいですから、ワーナーも本当は妥協の無いバイオレンスをやりたかったんでしょうね。

 

3つ目ですけど、アクションが何をやっているか分からない‼ ショッカー戦闘員みたいな敵の軍勢がみんな真っ黒で、戦闘シーンも夜ですから、闇に溶け込んでアクションがメチャクチャ見づらい。

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』とか『ブラックパンサー』とか『ジェミニマン』とか、画面が暗すぎて何やってるか分からないアクション映画は今日においてもたくさん生まれてますが、『スーサイド・スクワッド』もその類でした。誰得やねん!まぁCGの粗を誤魔化すためなんでしょうけど、自信ないなら作るなボケ!

 

まぁそんなわけで、大変不満な出来の作品でしたよ。作品は世界的にヒットしたみたいですけど、観客の99%はクインちゃんのケツ目当てだったに違いありません。

 

今作の監督であるデヴィッド・エアーも同様に、この映画に不満を持っていた。なぜなら劇場公開版は監督の意図に反して大幅に再編集、再撮影を経て作られた”別モノ”だったからです。

theriver.jp

 

「魂をこめたドラマがコメディにされてしまった」と語るエアー監督。まぁ『ダークナイト』並みにシリアスな作風だったのかもしれません。同様にDCEUの核となる作品だった『ジャスティスリーグ』もまた、劇場公開版は監督であるザック・スナイダーの作ったものとは全く違うテイストに再編集されています。監督が作ったディレクターズカット版(ザック・スナイダーカット)は、ファンの熱心な要望により、2021年3月に世界配信されました。

 

 

この『スーサイド・スクワッド』も、スナイダーカットがリリースされた直後、ファンからディレクターズカット版を公開するようネットで運動が行われているようです。

『スーサイド・スクワッド』ディレクターズカット版の存在が判明 ─ 『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットの製作決定で公開求める声広がる | THE RIVER

 

 

まぁファンの気持ちは分かりますけどね。監督が本当にファンに見せたかったバージョンが存在するのなら、それを観たいと思うのがファンたるものでしょう。でも、『ジャスティスリーグ ザック・スナイダーカット』(4時間バージョン)と劇場公開版『ジャスティスリーグ』を観比べた身としては、劇場公開版は正しいと言いたい。だって、明らかに問題があると判断したからワーナーは再編集を施したのであって、絶対にディレクターズカット版は冗長で重苦しい内容だったはずです。DCEUの作品である『マンオブスティール』も『バットマンVSスーパーマン』も、ひどくシリアスで重苦しくてユーモアの欠片も無かったですもん。その『バットマンVSスーパーマン』がコケてしまった以上、ワーナーが路線変更を求めたのは不思議ではありません。

 

デヴィッド・エアーカットもリリースされるなら観てみたいとは思いますけど、まぁ面白くないと思いますよ。ただでさえ退屈だった劇場公開版は、頑張って再編集して繕ってあの出来だったのだとオレは思ってます。スナイダーカットを観たオレの率直な感想は「クソ長い。オレが重役なら再編集を命じるわ」でしたもん。

 

さて、ジェームズ・ガン監督が手掛けた続編である『ザ・スーサイド・スクワッド』はどんな出来なのか…非常に楽しみです。クインちゃんもっとケツ出してくれ。