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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2021/09/26 わかっちゃいるけどやめられない。『MINAMATA -ミナマタ-』

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ジョニデとは思えない風貌

過去14年間、酒浸りの毎日を送ってきたので、最近は禁酒に励んでおります。

順調に痩せて体調も良くなっていく中、こないだ久々に飲んだらひどい吐き気と二日酔いで死にそうでした。

 

でもなんだかんだ言って、まだ飲みたいんだよなぁ…習慣とは恐ろしい。

いや、それは依存だろ。「わかっちゃいるけどやめられない」が依存なんだ。

 

そんなわけで、完全な禁酒にはまだまだ時間が必要なようです。

 

 

さて、こないだジョニー・デップ主演の『MINAMATA -ミナマタ-』を観てきました。

教科書でだれでも名前だけは学んだことがある水俣病を題材にした映画です。

実際に水俣病を取材し、世界に水俣病を知らしめたアル中カメラマン、ユージン・スミス氏をジョニーデップが演じています。


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ジョニーデップは勝手にアタクシが食わず嫌いしてました。彼の映画はほとんど観たことがありません。『シザーハンズ』も『パイレーツ・オブ・カリビアン』も『チャーリーとチョコレート工場』も何もかも。『ギルバートグレイブ』だけは観たか。

 

なんとなくいけ好かないイケメンで、「キムタクが嫌い」みたいなノリで彼の映画に触れてこなかったのですが、そのジョニデが『MINAMATA -ミナマタ-』の主演兼プロデューサーとして世間に公害の恐ろしさを知らしめてくれたのです。

今回ばかりはジョニデに敬服します(何様だよ)。

 

「自国の問題だってのに、ハリウッド映画に啓蒙させられるなんて」と複雑な思いを抱く方も多いと思いますが、公害ってのは企業による環境破壊行為であって、国とズブズブの企業を、商業映画として糾弾する行為は難しいんですよ。アメリカには自国の暗部を映画にする文化がありますけど、多くの国はそうじゃない。

 

福島第一原子力発電所事故を描いた日本映画『Fukushima 50』だって、東京電力の名前は伏せられているし、メルトダウンを防いだ作業員たちの美談に終わっています。決して東京電力は非難されていません。そういうもんです。

 

豊かな暮らしを捨てられない私たちは、そう簡単に公害を糾弾できない。公害と向き合うことは、己の業と向き合うことでもあるのです。わかっちゃいるけどやめられないのです。

 

そして心のどこかで、公害は歴史とともにあるのだと、それが当然なんだと思う。もしくは思い込むのです。

 

今でこそSDGsみたいな言葉が持て囃されていますけど、高度経済成長期なんかは工場から出る煙で空は濁っていたでしょうし、オレが子供のころ(90年代)なんかは光化学スモッグ注意報は何度も出ていました。大気が汚れているなんて当たり前でした。

 

人類の繁栄には代償がつきもの…映画『MINAMATA -ミナマタ-』でも、有毒水銀を垂れ流す企業チッソで働く人々の葛藤が描かれています。そもそも水俣市チッソ企業城下町であり、水俣病を告発し、会社に抵抗することは、自分たちの仕事を失うことでもあったのです。

 

声を上げることは難しい。でも、娯楽映画ならそれはできる。『ゴジラVSヘドラ』や『アビス』、『もののけ姫』など、環境破壊をテーマにした娯楽映画はたくさんあります。

 

声を上げる勇気がないなら、せめて映画を観て、己の業と向き合うのです。

 

わかっちゃいるけどやめられない。でも、わかっているだけ、少しはマシなのです(言い訳だってわかっているけど)。

 

 

2021/09/23 こういうのでいいんだよ 『ネットフリックス映画』

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デデーン!

 

こないだ観た『レミニセンス』の感想が、NETFLIXオリジナル作品として配信してりゃ、ボロクソ言われなかっただろうな」だったんですけど、それは配信でタダ同然で観るから出る感想であるのと同時に、NETFLIXオリジナル作品は「まぁこんなもんでしょ」っていう作品が多いからです(個人の感想です)。

 

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NETFLIXに加入して1年半…観たオリジナル映画は10本くらい。

 

『6アンダーグラウンド』『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』『タイラー・レイク-命の奪還-』『ベケット』『ケイト』『心のカルテ』『ポーラー 狙われた暗殺者』『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』『もう終わりにしよう。』『シャドー・オブ・ナイト』『ROMA』『ブラッド・レッド・スカイ』などなど…。

 

他にも観ているかもしれないが覚えてない。良くも悪くも覚えてない。

これは「心に残らなかった」というより、「気張らずに娯楽として消化した」と言える。

 

ネットフリックス映画は、もちろん金かけてる大作映画もありますが、大半は小~中規模のローバジェット映画が大半で、二時間ドラマを観ているかのようなカジュアルさがあります。90年代映画のような「こまけぇこたぁいいんだよ」と言わんばかりの雑な展開、伏線無視、突っ込みドコロのあるシーンも散見されます。いわゆるB級映画によくあるパターンです。

 

ネットフリックス資本で映画を作っているクリエイターたちも、最近の洗練されてキッチリしすぎた超大作映画に辟易しているのかもしれません。インディーズのノリで自由気ままに作っている様が目に浮かびます。

 

オレ自身がアラフォーのおっさんってこともあり、ネットフリックス映画は90年代の映画、並びにオレの映画体験に通じるものがあるんですよね。

 

学生時代でヒマだったから、1000円でたくさん映画を観ていたし、ネットが普及していなかったから海賊版も少なく、故に繁盛していた映画産業はたくさんのオリジナル映画(続編、リメイク、アメコミ原作の今の映画とは違う)を作っていた。

 

それらは玉石混淆であり、当然ながらすげーつまらない映画もあった。でもみんな「まぁこんなもんだよな」って思っていた。娯楽が今より少なかったから、粗製乱造でも楽しく見ていた。

 

アメリカでは厳格なレーティングも、日本では今より寛容だったから、エログロバイオレンス描写のある作品も未成年の頃にたくさん観た。アクション映画を親と観に行って、唐突なセックスシーンに気まずくなることはよくあった。

 

エログロで、突っ込みどころのある脚本で、良くも悪くも観終わった後に心に残らない、娯楽としてただただ消費されるだけの映画。それがネットフリックスオリジナル映画です。

 

それがいいんですよ!こういうのでいいんですよ!こういうのがいいんですよ!こういうのが観たかったんですよ!

 

ホントはハードなバイオレンスを劇場の大画面で拝みたいのに、制作会社も「収益に響くから」という理由で流血シーンや残虐シーンをカットしちゃいますから。ホラー映画でしか血が拝めないなんて、なんとヌルい世の中か!

 

劇場でカネを払っているのに観たいものが見られず、本当に観たいものはサブスク映画でしか拝めない。矛盾してるったらありゃしない。

 

 

まぁそれでも、劇場で映画を観るほうが断然好きなアタクシですけど、肩肘張らずにカジュアルに観られる映画を提供してくれるネットフリックスは貴重ですよ。たとえ観た映画が駄作で意味不明であっても、今後も懲りずに観ていきたいと思います。

2021/09/21 未来なんかに興味ねぇよ!『レミニセンス』

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過去にすがりたい時ってありますよね

さいきん元気ないです。仮想通貨が元気ないからでしょうね…。投資を始めるとチャートの浮き沈みが気分と連動してしまうという…。まぁだから相場がアゲアゲだと気分上々↑↑(おっさん)なんですけど、今は毎日がお通夜です。

 

それはいいとして、SF映画『レミニセンス』を観てきました。なんつーか、NETFLIXオリジナル作品として配信してりゃ、ボロクソ言われなかっただろうな」っていう作品です。

 

本場アメリカでも大コケしてますし、日本でも配給会社が宣伝に困ったのか、『巨匠 クリストファー・ノーランの弟、ジョナサン・ローランが放つ超大作!』的な宣伝で煽りに煽ってますが、まぁ期待しすぎるとズッコケると思います。予告映像も『インセプション』を彷彿とさせる仕上がりになってますし。


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ユーチューブ版の予告ではあんまり煽ってないんですけど、映画館でかかる予告編ではけっこう煽ってました。オレもまんまと騙されましたよえぇ。

 

何せ監督は今作が映画監督デビュー作となるリサ・ジョイさんで、彼女はジョナサン・ローランの奥さんらしいんですね。彼女が脚本&監督した作品であると。

要するにダンナが目一杯、嫁をヨイショして作った映画と言えます。

 

まぁ、『嘘は言わない。でも本当のことも言わない』というギリギリのラインを攻めるのが宣伝ってやつですので、上映中に「そういうもんだよな」とボンヤリ思いながら観ましたし、何よりSFオリジナル作品って、出来が悪くても観ちゃうんですよオレ。

 

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まぁだから、なんだかんだ言いつつ楽しんだオレがいるわけですよ。

結論、面白かった(おぃ)。

 

ストーリー…地球温暖化による海面上昇で国境が曖昧になった世界…国境侵犯による幾多の戦争を経て疲弊しきった人々は、未来に絶望し、楽しかったころの記憶にすがるようになった。主人公ニックは記憶潜入装置を使い、顧客に過去の思い出を再体験させるサービスを提供していた。また、一方で『記憶潜入(レミニセンス)』のスペシャリストとして、刑事事件の捜査に協力してもいた。

ある日、突然現れた謎の美女、メイの記憶を再体験させているうちに、ニックは大きな事件に巻き込まれることになる…。

 

水没しつつある世界と、記憶をめぐるストーリーがうまく嚙み合ってないというか、世界観がSFっぽい味付けでしかないってのが難点ですね。崩壊寸前の世界なのに、記憶再生装置というドスゲェ超技術がサービス提供されているチグハグな世界。

「こういう世界観だけでメシが5杯食える!」っていうビジュアルフェチな方にはツボだと思うんですけど。オレもそのクチです。ガジェット大好き。

 

戦争だの水没した世界だの、めちゃめちゃスケールでかい壮大なお話かと思いきや、基本的にはメイの記憶を辿って事件を解決するという小さなお話で、しかも事件の真相は世界を揺るがすような驚愕の事実というわけでもありません。

 

なので鑑賞後、「なんかショボかったなー」とか、「なんか思ってたのと違う」という感想に終始するのも無理はないでしょう。オチも賛否両論分かれるものになってますし。

 

まぁでも、映像は美しいですし、美女レベッカ・ファーガソンとイケおじヒュー・ジャックマンの演技を観ているだけで眼福モノですし、めいっぱいハードルを下げて鑑賞に臨めば、「コレはコレでありじゃね?」という感想に落ち着くと思います。

 

問題は、こういう小品はNETFLIXオリジナル作品として山ほどあるってことですけどね。

 

 

 

2021/09/08/『オールド』

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何気に秀逸なデザインのポスター

先日、人生で初めて歯医者に行きました。小さいころから虫歯とは無縁だったので、当然ながら歯医者とも無縁でした。

 

放っておいても虫歯にはならないと自負していますが、「口が臭い」と言われるのが長年の悩みでしたし、最近では歯周病の早期発見&治療も叫ばれているので、重い腰を上げて歯医者に行きました。

 

まぁ当然ながら歯に異常はなかったのですが、歯石を除去してもらっただけで全然ちがいましたよえぇ。歯はツルツルになったし、心なしか口臭も和らいだ気がしますし。

 

そろそろ人間ドックも検討するような年ですので(アラフォー)、これからますます健康維持に金がかかるなぁ…。

 

この本はおススメです。

 

さて、Mナイトシャマラン監督最新作、『オールド/OLD』を観てきましたよ。まぁまぁ怖くて退屈しない映画で、シャマラン作品の中では悪くないほうです。

 

シックスセンス』以来、20年以上、2年に1本ペースでひたすら映画を作る男シャマラン。駄作も迷作も作りつつ、酷評も絶賛も一身に浴びながら作り続ける男シャマラン。衝撃のオチに定評のあるシャマラン。故にファンは新作が公開されるたびにその驚愕のオチに本気で驚愕したり、逆に椅子から盛大にズリ落ちたりするわけです。

 

良くも悪くも、「またシャマランがやりやがったよ」とブツクサ言いつつ、新作が出ればなんだかんだ観てしまうわけで、シャマランファンは忙しいと思います。

まぁ俺はそこまでファンじゃないですけど(おぃ

 

駄作を撮ったとしても、「あの『シックスセンス』のM・ナイト・シャマラン最新作!」と銘打っただけでそれなりにヒットするわけですから、やはりシャマランは巨匠であり、常にベストを更新し続ける男なのだと思います。

 

まぁそんな巨匠の最新作オールドですが、一家4人が美しいビーチへバカンスに行ったところ、そこでは急速に時間が進み始め、子供たちは成人になっちゃうわ、お父さんお母さんは皺くちゃになっちゃうわでさぁ大変!このビーチに隠された謎とは?

 

…っつーお話です。


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シャマラン映画特有の、ビビッていいんだか笑っていいんだかよく分からないシーンも多々あり、グチャグチャに感情がかき乱されては引きつった笑いを浮かべるアタクシがそこにいましたよ。

 

まぁでも間違いなく笑っちゃうのは、映画上映直前に流れる監督メッセージ。

まぁ「観に来てくれてありがとう!」的なご挨拶なのですが、「お前はリドリー・スコットかよ」とツッコんでしまいましたよえぇ。どんだけ巨匠なんだよお前。

 

その後もシャマランがお約束のカメオ出演…しかもけっこう重要な役で出てきます。画面いっぱいにシャマランのご尊顔を拝むことができます。

また、主人公一家の息子役の子が劇中で大きくなるのですが、成長すればするほどシャマラン監督そっくりに。「まさかお前までシャマランになってしまうのか⁉めっちゃホラーやん!怖すぎやん!」とひとりビビッておりました。

 

まぁそんなこんなでコロナ禍でもシャマラン尽くし。肝心のオチが霞んでしまうほどの濃厚なシャマラン成分にクラクラしてしまいました。

 

急速に老いてしまう恐怖、それはとても今日的なテーマだと思いました。子供たちにとっては時間の加速は『成長』を意味しますけど、大人たちにとっては『劣化』でしかない。アンチエイジングが奨励され、60歳の美魔女が珍しくない昨今では、自然のままに老いていくことが、ある種の怠惰とみなされます。

 

また、年金の支給が70歳に先送りされ、定年もなく働き続けることが現実味を帯びている今では、もはや老後も静かな余生もあったもんじゃありません。ボケたら死ぬ。衰えたら死ぬ。働けなくなったら死ぬ。カネが無ければ、大病を患ったら死ぬ。そんな未来が待っています。

 

アタクシが歯周病予防のために歯医者に行ったのも、「死ぬまで働くかもしれない。だから健康に投資しなければならない」という危機感があったからです。一部の金持ちを除き、年金をもらって普通に老いて死ぬことは許されないのです。

 

老化に抗う。衰えないように健康を維持する。ホラー映画のような未来を生き抜くためには、それらが必要だと思っています。

 

 

 

2021/09/02 洋画がヒットしないこんな世の中じゃ

先日、ついにワクワクチンチンの1回目を接種しましたよ。肩パン喰らったんじゃないかってくらい、注射したほうの腕に鈍い痛みが走ります。2回目は本格的に熱が出るらしくて、今のうちに備えておこうと思います。

 

…ってか、冷えピタも熱さまシートも売ってねぇ!

メ〇カリで転売されてるじゃねぇかゴルァ!!!!!!!

 

すでに怒り心頭です。もうアッタマ来たからブログ更新辞めます(オィ

 

 

 

さて、相変わらず映画を毎日のように観てますけど、大変残念に思うことがありまして、日本じゃ『フリーガイ』と『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』(以下、『新スースク』)が全然ヒットしてないんですよ!『ドントブリーズ2』は小規模公開だったから仕方ないとして、夏休み映画にふさわしいこの2本の大作が全くヒットしてないだなんて!

 

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『レディプレイヤー1』みたいなゲーム世界でのアドベンチャー作品は日本でもウケると思ったんですが、ライアン・レイノルズじゃ客が呼べなかったのか…『デッドプール』は日本でも20億円の興行収入で、わが国にも一定のファンがいるはずなんですけどねぇ。

 

『新スースク』と『フリーガイ』のどちらも、8月13日の公開以来、週間興行収入ランキングでは一度もトップ3に入っていません。(CINEMAランキング通信調べ

http://www.kogyotsushin.com/archives/weekly/202108/27000000.php

『新スースク』はR15指定の暴力描写で観る人を選ぶでしょうけど、『フリーガイ』はもうちょいなんとかなっただろ…。

 

ホント、日本人って洋画を観ないんだよなぁ…今に始まった話じゃないけど。

 

製作費2億円以下の、テレビドラマの延長線上みたいな貧しい画作りの邦画に日本人が殺到する様は、なんつーか「君たちホントにそれでいいの?」って思う。まぁ「それでいい」って思っている人が大多数だから今があるわけだけど。

 

まぁ、かろうじて洋画でヒットしているのが、『ワイルドスピード・ジェットブレイク』で、興行収入は30億円を突破したそうです。

www.cinematoday.jp

 

『ワイスピ』シリーズは世界中でヒットしてますし、日本でもヒットしているのは洋画ファンとしては有難い思いです。まぁ「ファミリーと車が何より大事!」っていう田舎のヤンキー的映画ですけどね。

田舎のヤンキー的なマインドは世界共通なのかもしれません。

 

9月はマーベル・シネマティック・ユニバースシリーズ最新作の『シャン・チー テン・リングスの伝説』、ヒュー・ジャックマン主演の『レミニセンス』あたりの大作をアタクシは注目してますけど、さてどうなることやら。

2021/08/21 ナイスガイな『フリーガイ』

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全然ヒットしてないのが悲しい

 

パソコンが突然ぶっ壊れました。何の前触れもなく壊れるんですよねパソコンって。

おかげで日課であるNetflix2.5倍速映画視聴ができなくなってブログもやる気起きなくなりましたよえぇ。ホント、ちょっとしたことでモチベーションって削がれちゃうもんですよ。

 

そんなわけでネカフェからブログを書いてます。

 

こないだ観た映画は『フリーガイ』です。ライアンレイノルズ主演、『グランド・セフト・オート』みたいな犯罪系オープンワールドゲームのモブキャラがヒーローになるアクション映画です。

 

めっちゃ面白いんですけど8月13日に公開されて以来、まったくもってヒットしてない不憫な作品です。みんな観て。名作ですから。

 


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暴力まみれのアクションゲームのモブキャラである主人公ガイ(主人公だけどモブとはこれ如何に)。まいにち規則正しく銀行の窓口で働くガイだが、とある女性と出会ったことからプログラムの規則を外れ、暴力を用いずにゲーム内のヒーローになっていく…。

 

ゲーム世界がバイオレンスに彩られているため、派手な銃撃戦やカーチェイス満載なんですけど、R指定の映画では無いので、「いかにもゲームですよ!」というようなCG感強めのアクションになっています。重量感のあるカーチェイスや血みどろバイオレンスを観たい方は『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』をオススメします。

 

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 暴力まみれのゲーム世界で、善人として振る舞うガイ。モブキャラだと思っていないプレイヤーたちはガイの正体を知りたがり、ニュースでも取りあげられる事態に。

 

細田守監督作品の『竜とそばかすの姫』でも、竜の正体を知りたくてSNSでは話題が持ち切りでしたけど、そんなにもみんな素性の知れない人物を知りたがるもんですかねぇ…?デジタルワールドの世界なんて基本的に”仮面舞踏会”だと思っているアタクシですけど、この辺は疑問でしたわ。

 

ってか、この映画のゲームってそんなに注目度の高い作品だったのか。映画の後半では世界中の人々がガイの行動を固唾を呑んで見守ってましたけど、世界中の人間がトリコになっているようなゲームには見えなかったけどなぁ。まぁ元ネタ作品である『トゥルーマン・ショー』のオマージュがやりたかっただけだと思うけど。

 

善の力でプレイヤーたちを感化させ、ほかのモブキャラたちをも導くガイ。『グリーン・ランタン』や『デッドプール』などのアメコミ映画でヒーローを演じたライアンレイノルズですけど、この人の新たなヒーロー映画がこの『フリーガイ』だと言えます。

 

絶対にライアン・レイノルズってプライベートでも”いいやつ”だと思うんだよなぁ。この作品には超大物俳優が何人もカメオ出演(ネタばれなので書かない)してますけど、確実にレイノルズの人望で出演を快諾したと勝手に思ってます。

 

高額ギャラが支払われるトップスターですけど、イケメン過ぎない顔だからイヤミがないですし、『デッドプール』みたいなマスク姿&グロメイクのヒーローだって嬉々として演じちゃう(何ならプロデューサーも兼ねるし、制作に私財も投じちゃう)わけで、トム・クルーズとは違うタイプの役者バカなんでしょうね。

 

すでに『デッドプール3』の製作が進んでいるらしいですけど、一方で今作の続編も決定しているらしいですから、これからまたレイノルズの活躍をスクリーンでたくさん拝める日が来そうですよね。楽しみですなぁ!

 

…って、一方的に盛り上がってるアタクシですけど、ホントに日本じゃ悲しいほどヒットしてなくて、8月21日現在ではデイリー興行収入ランキングトップ10に入るか入らないかくらいの客入りです。日本の洋画不振っぷりは今に始まった話じゃないですけど、ホントに悲しいなぁ…。

2021/08/15 何とかなった『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』

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鑑賞後は遺影にしか見えない

『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』(以下、『新スースク』)を観てきました。超サイコーでした。前作『スーサイド・スクワッド』(以下、旧作)の不満点が全て解消され、ヒーロー映画(ディズニーのマーベル映画)にはできない血みどろ娯楽作に仕上がってました。

 

以下、ネタバレしながら感想を書きます。

 

冒頭、いきなりカワイイ小鳥が死にます。早くも「ヌルいファンタジー映画じゃないですよ」という断りを観客に入れてきました。そのまま異常なテンポの良さで犯罪者たちによる特殊部隊『スーサイドスクワッド』は戦場に駆り出され、敵も味方もほとんどが無残な死に方をします。

 

「お前らこーいうのが観たかったんだろ?」と言わんばかりの血と殺戮の嵐。

「これだよ!これが観たかったんだよオレは!」と思わず応えちゃいましたよ。

 

R15指定に偽りなし。開幕からゴアシーン連発で、旧作とは違う仕上がりを観客に見せつけます。昨今では興行収入に響かないよう、血もバイオレンスも排したヌルいファンタジー映画ばかりが量産されていますが、こんなビッグバジェットの大作でド迫力の殺し合いが拝めるとは!血がたぎりましたよ。

 

まさに旧作を一新した作品となっております。この『新スースク』は旧作の続編ではなくリブートという位置づけになっており、ハーレイクインを含めて数人はキャストを続投しつつ、新しいストーリー展開で物語が再構成されています。余談ですが旧作、またスピンオフである『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』に登場するハーレイクインは、全て繋がりのない独立したキャラクターになっています。

 

面白いのはメインキャラもバンバン死ぬってところ。ただ単に悪趣味なゴアシーンを羅列するのではなく、だれが生き残るか分からない緊張感が『新スースク』の最大のスパイスになっています。

 

まぁウィル・スミスが続投しなくて良かったですよ。ウィル・スミスは絶対に死なないってわかるじゃないですか。今作を監督したジェームズ・ガンは、予め配給会社のワーナーから「誰を殺してもいい」って言われてたらしいので、そうなると大御所俳優はなかなか起用できないですよね(ハーレイクインを演じたマーゴット・ロビーは既に大御所と言えるでしょうけど)。

 

こういう思い切った路線変更は、『ジャスティス・リーグ』の失敗からシリーズの関連性を無くし、レーティングの縛りを捨てた今のワーナーだからこそできたのでしょう。ライバルであるマーベルシネマティックユニバース(MCU)には絶対に出せない”味”となっております。

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また、『新スースク』を監督したジェームズ・ガンは今作の企画立ち上げ当時、ツイッターでの過去の不適切発言を取り上げられてディズニーを解雇されていました(後に再雇用された)。今作が過剰なゴアシーンで彩られているのは、ディズニーに対する恨み節だと思っています。

「ディズニーとマーベルの重役ども!てめぇらみんな死ね!オレをクビにしたことを後悔させてやる!」

というジェームズ・ガンの思いの丈がスクリーンにブチ撒けられていますよたっぷりと。

 

唯一不満だったのが、キュートなエロカワキャラであるハーレイクインちゃんが劣化したってことですね。旧作から5年経ってますし、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』でもちょっと太ってメイクのケバさに辟易してましたけど、今作ではアクションが面白くなかった。『華麗なる~』では『アイ,トーニャ』仕込みのパワフルでダイナミックな蹴り技が炸裂しまくってたんですけど、今作は飛び道具がメインで”強カワ”っぽさが薄れた感がありましたね。凶悪ヒロインなのは間違いないんですけど。

 

逆に株が上がったのは旧作からキャスト続投しているアマンダ・ウォラー…スーサイドスクワッドを管理する非情の女ボスです。彼女の冷酷非情っぷりは旧作から全くブレてない。この映画で一番の極悪キャラじゃないでしょうか。オバハンが演じているからこその説得力があります。終盤、命令違反しようとするスースク全員を殺そうと、目を血走らせるシーンは必見です。

 

まぁそんなわけで、とにかくバイオレンス全開の作品なんですが、ちゃんと”マンガ映画”としての笑いとバカバカしさがギュッと詰め込まれているので、陰惨な印象はありません。デート映画としては不向きですが、夏休みの娯楽大作としてはイチオシです。


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