2021/09/08/『オールド』
先日、人生で初めて歯医者に行きました。小さいころから虫歯とは無縁だったので、当然ながら歯医者とも無縁でした。
放っておいても虫歯にはならないと自負していますが、「口が臭い」と言われるのが長年の悩みでしたし、最近では歯周病の早期発見&治療も叫ばれているので、重い腰を上げて歯医者に行きました。
まぁ当然ながら歯に異常はなかったのですが、歯石を除去してもらっただけで全然ちがいましたよえぇ。歯はツルツルになったし、心なしか口臭も和らいだ気がしますし。
そろそろ人間ドックも検討するような年ですので(アラフォー)、これからますます健康維持に金がかかるなぁ…。
この本はおススメです。
さて、Mナイトシャマラン監督最新作、『オールド/OLD』を観てきましたよ。まぁまぁ怖くて退屈しない映画で、シャマラン作品の中では悪くないほうです。
『シックスセンス』以来、20年以上、2年に1本ペースでひたすら映画を作る男シャマラン。駄作も迷作も作りつつ、酷評も絶賛も一身に浴びながら作り続ける男シャマラン。衝撃のオチに定評のあるシャマラン。故にファンは新作が公開されるたびにその驚愕のオチに本気で驚愕したり、逆に椅子から盛大にズリ落ちたりするわけです。
良くも悪くも、「またシャマランがやりやがったよ」とブツクサ言いつつ、新作が出ればなんだかんだ観てしまうわけで、シャマランファンは忙しいと思います。
まぁ俺はそこまでファンじゃないですけど(おぃ
駄作を撮ったとしても、「あの『シックスセンス』のM・ナイト・シャマラン最新作!」と銘打っただけでそれなりにヒットするわけですから、やはりシャマランは巨匠であり、常にベストを更新し続ける男なのだと思います。
まぁそんな巨匠の最新作オールドですが、一家4人が美しいビーチへバカンスに行ったところ、そこでは急速に時間が進み始め、子供たちは成人になっちゃうわ、お父さんお母さんは皺くちゃになっちゃうわでさぁ大変!このビーチに隠された謎とは?
…っつーお話です。
シャマラン映画特有の、ビビッていいんだか笑っていいんだかよく分からないシーンも多々あり、グチャグチャに感情がかき乱されては引きつった笑いを浮かべるアタクシがそこにいましたよ。
まぁでも間違いなく笑っちゃうのは、映画上映直前に流れる監督メッセージ。
まぁ「観に来てくれてありがとう!」的なご挨拶なのですが、「お前はリドリー・スコットかよ」とツッコんでしまいましたよえぇ。どんだけ巨匠なんだよお前。
その後もシャマランがお約束のカメオ出演…しかもけっこう重要な役で出てきます。画面いっぱいにシャマランのご尊顔を拝むことができます。
また、主人公一家の息子役の子が劇中で大きくなるのですが、成長すればするほどシャマラン監督そっくりに。「まさかお前までシャマランになってしまうのか⁉めっちゃホラーやん!怖すぎやん!」とひとりビビッておりました。
まぁそんなこんなでコロナ禍でもシャマラン尽くし。肝心のオチが霞んでしまうほどの濃厚なシャマラン成分にクラクラしてしまいました。
急速に老いてしまう恐怖、それはとても今日的なテーマだと思いました。子供たちにとっては時間の加速は『成長』を意味しますけど、大人たちにとっては『劣化』でしかない。アンチエイジングが奨励され、60歳の美魔女が珍しくない昨今では、自然のままに老いていくことが、ある種の怠惰とみなされます。
また、年金の支給が70歳に先送りされ、定年もなく働き続けることが現実味を帯びている今では、もはや老後も静かな余生もあったもんじゃありません。ボケたら死ぬ。衰えたら死ぬ。働けなくなったら死ぬ。カネが無ければ、大病を患ったら死ぬ。そんな未来が待っています。
アタクシが歯周病予防のために歯医者に行ったのも、「死ぬまで働くかもしれない。だから健康に投資しなければならない」という危機感があったからです。一部の金持ちを除き、年金をもらって普通に老いて死ぬことは許されないのです。
老化に抗う。衰えないように健康を維持する。ホラー映画のような未来を生き抜くためには、それらが必要だと思っています。