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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2021/06/24『キャラクター』は酷い出来だった。

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ちょっと前の話ですが、6月11日に映画『キャラクター』を観てきました。

これがクソ面白くなくてガッカリでしたよ。その一週間前に観た『るろうに剣心最終章 The Beginning』もすこぶる退屈でして、「もう邦画はダメかもしれん」とか割と本気で思ったり思わなかったり。

 

 

ただ、誤解の無いように言っておきますが、『キャラクター』には期待していたんですよ。”構想10年”だの”オリジナル脚本”だの、”SEKAI NO OWARIのボーカルFukaseが殺人鬼役で俳優デビュー”だの、そそる要素がたくさんありましたからね。期待したからこそ公開初日に劇場に馳せ参じたわけで。

 

 

でも擁護できなかった。以下、それなりに内容に触れつつ感想を書くので、ネタバレが嫌な方やこの映画のファンの方は読まないほうがいいです。

 

 

基本的に「こまけぇこたぁいいんだよ!」スタンスのアタクシなんですが、20代の菅田将暉がタバコをバカスカ吸い、手書きで漫画を描く”今どきらしからぬ漫画家”を演じていて、彼のシーンからしてもう「ん?ナニコレ?」と違和感が頭の中をよぎりました。

 

 

若干呆れつつも観ていると、タイトルシークエンスが映画『セブン』のパクリというかオマージュが…作品後半では殺人鬼役のFukaseの部屋がまたしても『セブン』の殺人鬼ジョン・ドゥの部屋のまんま。いまどき25年前の有名映画から引用するか普通?

 

 

肝心のFukaseの演技は良かったんですけど、やっぱりどうしてもテンプレサイコパスというか、『ジョーカー』の演技の域を出ていないというか、『セブン』からの引用が露骨なだけに、またコピーか、またパクリか、とケチをつけたくなる。

 

 

もう、パクリだろうがなんだろうが面白けりゃいいや…と開き直って鑑賞に臨むと、菅田将暉が殺人現場にインスパイアされて描いた漫画が大ヒット!たった一年でタワマン生活!…っておい!しかも間違いなく週刊連載なのにアシスタントいないし!1人で週刊連載やってるの?

 

 

この作品の原案と脚本を担当した長崎尚志氏は、過去に実際に漫画雑誌の編集者をしていたらしいですが、現場に口出ししなかったんだろうか。もう少し説得力のある描写ができただろう。

 

 

この他にも突っ込みどころは数え切れず、とにかくストーリー展開よりも細部の粗が目立つというか、とても真剣に作ったとは思えない出来で、いちいち真面目に観ていたらアホらしくなる映画でしたよえぇ。

 

 

映画レビューサイトのFilmarksで若い子たちが「Fukaseの演技ヤバイ!」とか褒めちぎるのはいいと思うんですよ別に。デビュー作でそれなりにいい演技で狂人やってんですから、ファンが歓喜戦慄するのはよく分かります。

 

 

でも癪なのが、映画1000本くらい観てそうな奴らが「練りに練られた脚本!すばらしい!」とかインスタグラムで絶賛してるところ。お前らはアレか、金もらって感想を書いてるのか。本気ですごい脚本だと思ってるのか。

 

 

「いいね!」欲しさに忌憚なき意見や感想がSNS上で全く上がらないってのがアラフォーおっさんのアタクシとしては嘆かわしい限りで、絶賛も酷評も面白いもつまらないも作品批評にはあってしかるべきだと思いたい。

 

 

まぁそんなわけでアタクシは言いたい。『キャラクター』は駄作だったと。