タイムライン

9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20181026 『若おかみは小学生!』その2

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10月24日にシアタス調布で行われた『若おかみは小学生!』のトークショーに参加してきました。案の定、場内はオッサンばかりでした。


前回のタイムラインから1ヶ月経ちましたが、ここ1ヶ月間なにしてたかと言われれば、『若おかみは小学生!』を映画館で5回観てました(異常
もう『クワイエット・プレイス』も『イコライザー2』も眼中になく、ひたすら小学生だけ観てました(語弊が…


あ、『バーバラと心の巨人』っていう超マイナー映画も観たのですが、鑑賞中に

「おいコレって去年公開された『怪物はささやく』と話が全く同じじゃねーか!」

と、椅子から転げ落ちそうになりましたよ。公式サイトの著名人による絶賛ぶりは何だったのか…
13歳ウサ耳メガネっ娘ヒロインの可愛さに騙されてるんじゃないのかお前ら。オレは騙されたクチです(ロリコン

 

まぁともかく…

 

公開1週目で興行的に大爆死して翌週には公開規模を大幅縮小したものの、ツイッターでの絶賛っぷりが連日連夜止まることなく続き、上映館の拡大や、一度は上映を打ち切った映画館で再上映が行われるなど、異例とも言える盛り上がりを見せるアニメ映画が本作『若おかみは小学生!』です。


間違いなくSNSによって人気に火がついた稀有な作品でして、万人にオススメしたい超傑作なんですけど、コレほど世間の反応とSNSとの温度差が激しい作品はありません。


何せ川崎チネチッタで4回観ましたけど、毎度毎度ガラッガラでしたもん。
明らかに熱狂的なファンが2回も3回も10回もリピートして、一般層が観に来ていない証拠です。
『劇場版ガールズ&パンツァー』や『バーフバリ』シリーズみたいなもんですね。
いちおう職場の上司にも勧めましたが、

「オレはロリコンじゃない」

と一蹴されましたもん。一般層に布教するには、あまりにもタイトルとビジュアルが障壁となっているのです。

 

そして児童文学を素材として扱いながら、監督が高尚かつ大人の心を穿つメッセージを作品に込めすぎた為か、客層は圧倒的にオッサン率が高いです。もちろん子どもにも面白がってもらえる作風なのですが、劇場内がオッサンだらけなら子どもはフツーに引きますよね。親子連れの観客が場内で顔をひきつらせる様子が目に浮かびます。


今回のトークショーにしたって、オタク特有の空気読まないマニアックな質問ばかり投げかける“玄人”ばかりが観客でしたので、オレもオレで楽しんではいたのですが、何だか同時に“同族嫌悪”を感じていたのも否めないです。


この作品の素晴らしさを一般層に伝えたいなら、(失礼なのは承知の上で)もうちょい見てくれなり振る舞いをどーにかしてくれと…人のこと言えないですけど。


ちなみにツイッターでの公式サイトではファンと製作陣の場内記念撮影がアップされてまして、アタクシもひっそりと写っています。観客全員がイイ年こいた方々ばかりなので、絵面的にかなりアレです。ますます今作の鑑賞においてハードルが上がること間違いないです。
まぁ2年後に地上波放映されて初めて一般層に評価される作品だとは思っていますけど。


まぁともかく、今作が面白いところは、監督もプロデューサーも『オファーに懐疑的だった』だの、『作っていて「これ絶対売れないよね」とか話していた』だの、要するに“やる気ない案件(ただし手は抜いてない)”だったということですね。(トークショーでもぶっちゃけていました)
仕方なく引き受けたけど、作る以上は全力で臨んだ題材だったことが伺えます↓

https://www.cinematoday.jp/news/N0104031


ウケないと思っていながら作った作品が、想定外の評価を受けるなんてことはよくある話ですけれども、それでもとりわけ今作は作り手の思惑も、絶賛する観客層も、そしてSNSが現実に影響を及ぼしつつも一般人にはまるで届いていないという点も、何もかもが歪でチグハグな“希少品”だと思います。こういった作品にリアルタイムで出会えるのは、映画ファン冥利に尽きると思っています。


こんな特異な作品が劇場で拝めるのも今のうちですので、皆さま是非、騙されたと思って劇場で観てください。
喜怒哀楽すべてが詰まった濃密な90分が“体験”できることは約束しますので。

 

あ、最後に一応言っておきますけど、俺ロリコンじゃないですからね。皆さんも『レオン』とか『アイ・アム・サム』とか観て泣くでしょ?(言い訳