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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20190104 『レッド・ブレイド』

 

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新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


2018年は『災』で締めくくられるイヤ(18)な年でしたが、2019年は行くところまでイク(19)年にしたいので、ぜひとも今年は『頂』で締めくくられる年にしたいですね。


かくいうアタクシも毎日絶頂ですよ。
仕事して『ゾンビランドサガ』観て、仕事して『SSSS.GRIDMAN』観て、仕事して『BANANA FISH』観て、仕事して『孤独のグルメ晦日スペシャル』観て、仕事して先日アマプラで新規配信された『インター ステラー 』観てたら光の速さで年の瀬と三が日が過ぎましたよ。休日は体調崩してゲロ吐いて寝込んでましたよ。


サービス業ゆえに毎年のようにクリスマスも大晦日も元日も仕事してますが、高校時代からこのスタイルなのでもう慣れっこです。


そんなことより『インター ステラー 』ぜひ観て欲しいです。
劇場で観なかったことを後悔した一本であり(だって予告編が地味だったんだもん)、ブルーレイで何度も観てますが、序盤での娘との別れのシーンで毎回鼻水垂らしてガチ泣きする30代おっさんのオレ。唐突に出てくる”萌えロボットのTARSとCASE”もいい味出してます。

 

『オデッセイ』で大奮闘したマッド・デイモンが、今作では真逆の”裏切り者のユダ”を演じているので、こちらにも注目してほしいです。

 

 

まぁともかく…

 


去年12月の某日、ニンジャアクション映画『レッドブレイド』をシネマート新宿で見て来ました。去年最後に劇場で観た映画であり、2018年を締めくくるのに全くもって相応しくないトホホ映画でした。

 

グラビアアイドルの小倉優香さん主演、アクションを手がけるのは稀代のアクション俳優である坂口拓さん(現 TAK∴)です。
もう上映は終了してますが、以下の予告編をどうぞ↓

https://youtu.be/HSGhs04K1aA


予告編でも隠し切れない低予算臭がプンプンするくノ一アクション映画ではありますが、坂口拓さんの銀幕復帰作である『RE:BORN』以降の進化したアクションが拝める一本です。


新宿でわずか1日1回、2週間限定公開の超絶マイナー映画でして、対して安くもない交通費と木戸銭払って観に行ったのはアタクシが拓さんのファンだからです。
お粗末な演技も雑な脚本も覚悟の上で拓さんの超絶アクションだけを期待して観に行きました。

 

そこまで割り切っておきながら、それでも今作の鑑賞はツラかったです。
好きな小説がアニメ化されて喜んでいたら、作画崩壊と総集編を連発した某BEATLESS以来のツラさでした。

 

小倉優香ファンのために用意されたのか、脈絡もなく挿入される百合シーンとか、フリー素材のようなショボい劇伴、園子温原案なのに薄味すぎるバイオレンス感(名義貸しでしょうね…)、アクション一切なく退場する榊英雄さんの無駄遣い感(拓さんとガチで殺りあうのを期待してた…)、後半から破綻する脚本、滑舌悪すぎる演技etc…


欠点を論えばキリがなく、トドメは夢オチよりある意味ヒドい◯◯オチ…からの唐突に流れるエンドロール。
思わず「そこで終わりかよ!」と叫びましたよ(心の中で)。そしてイスから転げ落ちそうにもなりましたよ。


失望した観客はオレ以外にもいたようでして、上映後20分で出て行った客、高イビキして爆睡する客、エンドロールが流れるか早いか、一目散に出て行く客…狭いミニシアターなので暗闇でも客の一挙一動が分かるものです。


上映期間も終了した年末に、早々にツイッターの公式サイトがブルーレイ版の発売日を告知して複雑な気分になりました。


お粗末な出来の作品を見せられたあと、『円盤で本気出す』とか公式に言われているようでツラかったです。
1800円と交通費を返せよ。そういうこと言っちゃいけないって分かってますけど。

 

まぁ、作り手も明らかに低予算ゆえに作りたいものを作れなかったというのは伝わります。限られた予算の中で精一杯やったのも分かってます。でも擁護しづらい出来でした。

 

たぶんVシネマ(セルDVDを主体にしたオリジナルビデオ作品。アニメでいうOVA)に毛の生えた程度の予算で作ったのが伺えます。


あえて擁護させていただくなら、アクションは良かった。『RE:BORN』のアクションは凄まじいけど速すぎて何やっているのか分からない箇所が何度かありましたが、今作のアクションはケレン味も派手さも見やすさもあって、一般人が視認できるレベルのエンタメアクションに昇華されていたと思います。


ただ、『アクション以外は雑でもいい』と割り切って観たオレでもしんどいと感じたレベルの作品でしたから、まぁ一般層にお勧めできるクオリティではありません。もう少し制作費も制作期間もあれば違った作品になったことでしょう。


数年前に映画監督の園子温監督が邦画の低予算っぷりを嘆いたことがありました↓

https://blogos.com/article/186556/

現在、園子温監督はアマゾンプライムビデオでオリジナル作品を撮り、今年はハリウッドでニコラス・ケイジ主演の新作を撮る予定です。高予算で面白い作品を撮ることを期待していますが、ハリウッドで北村龍平監督みたいにならないことを祈っています。


話は逸れましたが、やっぱり映画はカネをかけなきゃいけないのですよ。
低予算でも『カメラを止めるな!』みたいな面白い作品があることは分かっていますが、でも『アベンジャーズ』を300万円で作れと言われりゃどんな出来になるかぐらいも分かります。

 

6億円で撮った初代『ターミネーター』と、100億円かけた『ターミネーター2』を見比べれば、予算の多寡が画面の密度を左右することくらいわかるでしょう。


もちろん、商業映画は利益を出してナンボですから、湯水のごとく高額の制作費を出せないことぐらいは分かります。


でも200億円の超大作も、300万円の低予算映画も、観客は等しく劇場で1800円を払って観るのです。
低予算かつ、作り手も不満が残る雑な作品が世に生まれた日には、期待して観に行った観客も失望するというものです。
まさに誰も得しない悲劇。


ただでさえカネがかかるアクション映画が邦画業界で需要が低いことは重々承知していますが、それでも制約だらけの中で脳が疼くようなバイオレンスやアクションに挑戦している日本のスタントマンやアクション俳優に、これからもエールを送りたいと思います。


とりあえずみなさん、『キングダム』を観に行きましょう。
コミック原作映画爆死請負人の山崎賢人が主演なので心配ですが、坂口拓さんも出ていますので。4月公開ですのでよろしくお願いします。


って、『BLEACH』をスルーしたお前が言うなって話なんですけどね↓

https://youtu.be/iS63u7GP0PE

 


おまけ…邦画アクションの最前線で奮闘する人々の裏事情↓

http://spice.eplus.jp/articles/59939

読めば現場の懐事情やジレンマが分かると思います。