20181102 『ヴェノム』と『Search/サーチ』
凶悪ダークヒーロー(笑)映画『ヴェノム』を観てきました。
うんまぁ…そこそこ面白かったです。本国アメリカで賛否両論であることは事前に知っていましたけど、でもなんでしょう、
『アウトレイジ』観に行ったのに『HiGH&LOW THE MOVIE』観せられたかのようなコレジャナイ感。
『スーサイド・スクワッド』観に行った時のような脱力感。
ヴェノムめっちゃイイ奴じゃん。「俺のダチを傷つける奴は許さねぇ!」みたいなノリのイイ奴。
何眠たいこと言ってるんですか“エイリアン”のくせして。
主人公も主人公で、元“マッド・マックス”かつ元“ベイン”のトム・ハーディですよ。
仕事も彼女も失ってヤケクソになった矢先、人智を超える凶悪な力に目覚めたらフツーは自分をクビにした会社の上司とか気に入らない奴は片っ端からブッk(自主規制
『デッドプール』や『ローガン』や『ザ・プレデター』のようなR15指定“ダークヒーロー”映画を世に送り出してきた20世紀フォックスを見習った方がいいんじゃないでしょうか。(大人の事情でR15指定にしたくてもできなかったらしいですけど。
結局は本命である『スパイダーマン』を売りたいがための“壮大な予告編”になりそうな感じはあります。ファンを落胆させないよう、続編で大暴れしていただきたいです。
そんなわけで、本当にオススメしたい映画はこちら、新感覚サスペンス映画『Search /サーチ』です。
いや、これはホントに面白かった!傑作です!ぜひ皆様も観るといいです。
最大のウリは『全編、PC上の画面で物語が展開する』というものでして、観る前は
「そんな出オチみたいなネタで2時間引っ張れるんかい」
なんて思っていましたがこれがドッコイ(おっさん)、緊張感が全編に渡ってブッ続きます。ぜんぜん退屈しません。
予告編も貼っておきますのでどうぞ↓
愛娘がある日突然、失踪した…。安否を気遣う父親は警察に捜索願を出しつつ、同時に娘が利用していたFacebook、Instagram、TumblrなどのSNSアプリから彼女の近況を探っていた。するとそこには父の知らない彼女の意外な素性が…
っつーあらすじなんですが、とにかく脚本が上手いです。
PC上で話が展開するという奇を衒った演出に依存しすぎることなく、大筋は万人に馴染みやすい古典的サスペンスに則った手法で観客をグイグイ引っ張ります。
“姿を消した主要人物が、当人の痕跡や他者の記憶を通じて徐々に輪郭を露わにしていく”というお話は、キャメロン・ディアス主演の『姉のいた夏、いない夏』とか、役所広司主演の『渇き。』とか、近年だったら『ゴーン・ガール』とか色々あります。
斬新なことやっているようで、結構とっつきやすい内容です。
失踪した愛娘なんてそれこそ親に隠し事の多いお年頃の10代でして、彼女のSNSの履歴を探る(Search/サーチ)ことで
“自分の娘のことなんて全然分かってなかった”
という事実が浮き彫りになるというのは、“父親あるある”だけでなく、物語の運びとしてもうまく機能しています。(世のお父さんは実際にやったらダメですよ)
娘を愛しているからこそ常軌を逸した行動に出る父親、二転三転する謎、『親子の絆』がもたらす禍福など、とにかく最後まで目が離せないサスペンス映画です。
思ったより客が入っていない残念な良作ですので、ぜひ劇場でご鑑賞ください。