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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20180925 『狂武蔵』

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77分ワンカット(⁉︎)のサムライアクション映画『狂武蔵(くるいむさし)』…アクションバカ一代、坂口拓さん主演のクレイジーな作品です。


この映画の完成のために、クラウドファンディング(ネットを介した資金援助)に協力させていただきました。↓

https://camp-fire.jp/projects/view/59358


完成した暁にはエンドロールでオレの名前もクレジットされるそうです。2年後が楽しみです。


今作『狂武蔵』は6年前に未完成の状態で1日限りで上映され、主演である坂口拓さんは俳優を引退…暫くはアクション監督として活躍していました。


そして日本のアクションマニアを唸らせた『RE:BORN』で、坂口拓あらためTAK∴として俳優業復活。


古武道や柔術をベースとした身体操作『ウェイヴ』を体得したTAK∴さんの『本物』の戦いぶりは、現役のスタントマンを含め、多くのアクション映画ファンの脳を揺さぶりました↓

https://youtu.be/tFEkT_pTNFs


日本では数少ない監督、主演、アクション、スタントを全てこなす俳優です。
2001年公開の『VERSUS』の頃から注目している逸材です。
(余談ですけど、この映画のヒロインは後に、新海誠監督の嫁になる方です。)

 

非公式の動画を紹介するのはアレなんですけど、以下の動画でなんとなく凄さが伝わるかと思います↓

https://youtu.be/CEBf7icIipU


さて、この『狂武蔵』が何かの間違いで『カメラを止めるな!』ばりの特大ヒットとなれば、坂口拓さんが名実ともに日本を代表する本格派アクション俳優になると思うのですが、まぁそれは無理でしょう。何せ主演が無茶する映画に高額な制作費も宣伝費も掛けられないわけですから。


そんなわけで、総じて彼の主演する映画は低予算かつマイナーです。


それなりの予算で一大スペクタクルアクションを撮ろうと思ったら、客を呼べる旬の俳優を主演にする必要がありますが、もし主演が撮影中に自分でスタントに挑戦して大ケガなんかされたら、最悪は製作中止…億単位の損失になります。
そんなリスクを背負うくらいなら、アクションパートはスタントマンに頑張ってもらうのが当然でしょう。

 

100億円規模の制作費を掛け、続編やリメイクばかり撮る”余裕のないハリウッド映画”も例外ではなく、そんな中でトム・クルーズがあんな無茶できる理由は、自分でカネ払ってるからです。通常は危険なアクションは必ずスタントマンが行います。でもトムは『ミッション・イン・ポッシブル 』シリーズでほぼ全てのスタントを自分でこなします。


つまり、「自腹切ってアクションやるから、オレが死んだり映画が製作中断されても責任持つよ」と言うわけです(酔狂すぎる)↓

https://miyearnzzlabo.com/archives/51617

実際、「死なれたら困る」という理由でハリウッドで思い通りに映画が作れなかったジャッキー・チェンは、香港に帰ってしまいました。
もともと自分で監督して主演して無茶なスタントしてアクションやる人ですからね。自らの“ウリ”を生かせないならハリウッドで活路は見出せないでしょう。


そんなわけで、アクション俳優とは「死んだとしてもビジネス的に責任取るよ」と言い張れる人間か、そうでなければ「死んでも一向に構わんよ。むしろもっとやれ」という”命が安い国”出身であることが多いです。

 

だってほら、トニー・ジャーとかイコ・ウワイスの映画を観ればなんとなく、”お国柄が知れる”じゃないですか(クッソ失礼)


ちなみにスタローンやシュワルツェネッガーは、筋肉と愛と正義が全てだった80年代だからこそ活躍できたと思っています(割とマジで)。

 

まぁ、それでも佐藤健綾野剛なんかは『るろうに剣心』や『亜人』で体当たりのアクションを披露しましたし、フィリピン武術であるカリや、ブルース・リー創始者であるジークンドーを習得した岡田准一あたりはガチなアクションスターになれそうなので、事務所がもっと『アクション俳優』としての売り方をしてくれればいいんですけどねぇ。
“アクション俳優”は生まれにくいですけど、“アクションをこなせる俳優”が邦画界で増えているのは事実です。

 

ちなみにカッコよくてスタントもアクションもこなせて、なおかつ客が呼べる演者を掻き集めて高予算で撮った”アクション超大作”が、日本ではEXILE HIROプロデュースの『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズに当たります。


理屈としてもビジネスとしても正しいですし、アレはアレでなかなか侮れない面白さなのですけど、でもやっぱりアレは”アイドル映画”でしょう。”武闘派”と言うにはあまりにも(ファンの方には大変失礼ですが)、チャラいです。

 

 

まぁともかく、ガチで殺りあう本格アクション不毛の地である日本において、ひたすらアクションを追い求める“戦劇者”が坂口拓その人なのです。
まずは俳優復帰作である『RE:BORN』を観ていただければ幸いです。すで

にレンタルされています↓

https://youtu.be/Kt7A8FBwNs8


ただ、アクションに特化した映画の多くは、基本的にストーリーは二の次です。ストーリーに多くを求めず、肩の力を抜いた上でご鑑賞ください。

 

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