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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2019/01/16 格差と貧困について

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1月13日に『仕事納め』をしました。もうクソ寒い早朝に起きる必要も無く、週に6日、食事休憩も無く1日9時間も働かなくて済む…送別会を終えた後、そう思いました。


それから3日が経つのですが、旅行に行こうとか映画を観ようとか、辞める前にあれこれ考えていたプランがスッと霧散してしまいました。やりたいことは山ほどあったのに、いざ辞めると何をしようか迷ってしまうのです。
自分って思った以上に仕事人間だったんだなと。


好きな時に寝て好きな時に飯を食って好きな時に酒を飲んで過ごしている3日間は…長い。
まぁ、徐々に慣れていくのでしょう。『自由』という感覚に。

 


まぁともかく…

 

映画『パラサイト/半地下の家族』を観てきました。独房のような半地下の家で肩を寄せて暮らす貧乏一家が、身分を偽って金持ち一家の屋敷に“就職”する話です。もう…すっごくオモロい。


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編



コメディかと思いきや中盤からサスペンス、ホラーの要素が加わり、まるで先が読めないジェットコースタームービーとなっております。何より、格差や貧困を扱いながら、それほど湿っぽくならないエンタメ作品として完成されているので、もう絶対観たほうがいいです。
ネタバレ厳禁である今作に関してはこれ以上、内容には触れません。ぜひとも劇場まで足をお運びください。


さて、この『パラサイト』に限らず、格差や貧困を扱った作品は近年増えています。日本では『万引き家族』や『天気の子』、イギリスでは「私はダニエルブレイク』ならびに『家族を想うとき』、そしてアメリカでは『ジョーカー』(この作品に関しては疎外や孤独を扱っているという意見もあります)…。


示し合わせたわけでも無く、映画界がこぞって“格差や貧困”をテーマにした映画を撮っているということは、紛れもなく全世界規模で“弱者”が増えているということなのでしょう。

 


「貧乏は自己責任」とばかりに生活保護受給者を批判する方は日本に多いですが、貧困に苦しんでいるのはギャンブルで破産したような人間ばかりではありません。学歴や家庭事情、身体的な不自由、出自などの理由で裕福な生活を送れない人はたくさんいるのです。


ただ、オレ自身は格差や貧困に苦しむ人々を救いたいと思っているわけではなく、むしろ貧困から逃れたいと思っています。


皮肉な話ですが、日本に住み映画館で新作映画を観る我々は決して貧しくはありません。一本1900円という日本の映画料金は世界的に見てもかなり高額であり、「貧乏人は映画を観ない」のです。(もちろん、テレビ放送やレンタル視聴は別ですけど)

 

社会の弱者にスポットを当てたこれらの映画群を観て、“裕福な我々”は貧困に陥ることのない生き方を考えていくべきなのです。もちろん、大金持ちの方々はチャリティとか福祉に目を向けていただきたいですけど。


ここまで読んで、「冷たいヤツだなお前…」という意見もあるでしょう。でも職業柄、本当にカネがない人々をたくさん見てきました。彼らを見て思ったことは、「かわいそう」ではなく「おぞましい」でした。カネが無い人間の振る舞いがどういうものか、嫌というほど見てきました。誰しも好きで貧しい生活を送っているわけではないのは分かっていますが、それでも「できることなら関わりたくない」、「自分はあんな風になりたくない」というのが正直な思いです。


貧困への関心が日増しに強くなり、ノンフィクション作品の『最貧困女子』や『下流老人』、生活保護を題材にしたマンガ『健康で文化的な最低限度の生活』などを数年前に熱心に読んでいました。

 

最貧困女子 (幻冬舎新書)

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  • 作者:鈴木 大介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: ペーパーバック
 
下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

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それから生活コストを落とすために大型バイクを手放し、携帯電話は格安スマホに切り替えました。タバコを止め、週に4日ほど軽い筋トレを行なっています。80歳でもボケずに働く覚悟だからです。何より病院や老人ホームとは関わりたくないですし。虐待されますし。
マイホームと結婚はそもそも興味が無く、自分の生活水準を維持できるなら、今後もし年収が増えても無縁でしょう。
あとは酒とパチンコを止められれば完璧ですね。近々やめます。うん、絶対。たぶん。


「お前みたいなヤツがいるから少子化は解消されないんだよ」
なんてご意見もごもっともですが、それは掃いて捨てるほどカネがある人々にお任せします。今や“家庭を持つことはゼイタク”なのですから。この現実をサバイブするためには、多くを持たない生き方も一つの選択肢だと思っています。

 

格差や貧困は今そこにある危機であり、本当に恐れるべきことなのです。救うにせよ免れるにせよ、皆さま真剣に向き合っていただきたいと思います。


さて、なんだかんだホザイてますけど、まずお前はやく次の仕事を見つけろよって話ですよね。

 

貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)

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アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した

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