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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2019/05/17 無音ノススメ

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ドラゴン桜』の三田紀房先生が描いた『インベスターZ』に触発され、パチンコ一ヶ月ガマンして貯めた元手で株を始めたオレ。さてどうなることやら。

 

25年来の映画ファンのクセして、行動に変化を促しているのは常にマンガだったりします。

 

漫画『ばくおん!!』を読んでバイクの免許を取ったのは27歳の頃ですし、その翌年には『ヤマノススメ』を読んで登山を始めています。その翌年には大型二輪免許も取得しました。


来年あたりには『いきのこれ!社畜ちゃん』の影響でプログラミングの勉強をしているかもしれませんね。習得すれば食いっぱぐれることのない職業らしいので。
社畜はカンベンですけど。

 

 

まぁともかく…

 

 

さいきん、“音を消して洋画を観る”というものにハマっております。もちろん『初見の作品を』、です。買ったばっかりのゲームをいきなり縛りプレイするようなものです。

 

ツタヤでレンタルしていた頃なら「そんな勿体無いことできるかボケ」って話だったわけですけど、Amazonプライム・ビデオやNetflixなどの定額見放題サービスが隆盛を極めつつある現在…今こそ、この鑑賞法をオススメしたいのです。

 

この鑑賞方法に目覚めたのは1年ほど前のこと…

「映画観るのに疲れたわ」という映画倦怠期がオレを襲ったのです↓

https://strawdog48.hatenablog.com/entry/2019/01/13/052654

 

なぜ映画鑑賞は疲れるのか…それは視覚も聴覚も時間も奪うからです。面白かったならいいのですが、2時間割いて観た挙句、クソ映画だったときの徒労感は半端じゃありません。


そしてある日気づきました。

『じゃあ音を消して観れば疲れにくいじゃん』と。


音を消して洋画を字幕で観れば、それはマンガと一緒です。字幕がマンガでいうフキダシの中の台詞となり、映像が一つ一つのコマとなるのです。聴覚を用いないからこそ、鑑賞に必要な労力が半減されるのです。

 

アマゾンプライムビデオでランダムに、未見の洋画を10本ほど無音で観たのですが、それは新しい発見でした。


面白い映画は音を消してもなお面白く、それどころか“音が聞こえてくる”のです。それは想像力がBGMを補完してくれるというだけでなく、映像が雄弁に“語る”からです。

 

娯楽映画は度々、『ストーリーが陳腐』だの『オレでも作れる』だの揶揄されがちですが、『バカでも分かりやすく楽しんでもらう』ために細部を犠牲にしてでも、映像で理解させる配慮が行き届いています。


娯楽映画を手放しで擁護するわけではないですが、大衆向けの映像作品は、言葉が分からなくても、耳が不自由な人にも、映像だけで楽しませるための努力を惜しみません。


まぁそういった御託はともかくとして、『無音で鑑賞する』のはオススメです。なぜなら、そのあとで音声ありで同じ作品を観ると全く違う印象を受けるからです。


例えば “音を立てたら、即死。”のキャッチコピーで知られる大ヒットホラー映画『クワイエット・プレイス』は会話シーンの大半が手話で、極力ノイズを出さない映画となっております。
音を立てたら最後、音に反応するバケモノが襲いかかってくるのです。


先日この作品を初めて観たのですが、初見で無音鑑賞した時の緊張感はハンパなかったです。そして立て続けに『音声あり』で2度目を観ましたが、予想に反して

「こんなにも”うるさい”映画だったのか!」

と驚いたものです。まさに”1粒で2度美味しい”鑑賞法と言えます。

 

しかしながらこの鑑賞方法にもデメリットがありまして、

『つまらない映画を無音で観ると、より一層つまらない』

のです。クソ映画がクソクソ映画に変貌し、貴重な2時間が奪われた悲しみも2倍です。


良くも悪くも、『音』が与える影響の大きさを知ることになるのです。


咀嚼音が過剰にデカく、終始一切BGMが排除されている松田優作主演のコメディ映画『家族ゲーム』も観てみましょう。静寂と不協和音、そして画作りの拘りがよく分かる作品となっております。30年以上前の作品ですが、今観ても面白いです。
超オススメ。