タイムライン

9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20171215 『モモ』

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映画鑑賞はしんどい。

 

 


平均して月に3〜4本ほど映画館に通って映画を観ているくせに言うのもアレですが、映画なんて高いし疲れるし続編やリメイクばかりなので、映画観ているヒマあったら本読んだり勉強したほうがいいですよ。


突然どうした?なんて思われるかもしれませんが、20年も映画ファンやっているのです。『倦怠期』も愚痴の一つも許してやってくださいよマジで。

 


「映画は映画館で見てこそだ」なんて言うと古臭い時代遅れの映画ファンみたいに思われますが、これは本当です。映画館で映画を観るのと、テレビ放映やDVDレンタル、ネット配信で観るのとでは面白さが全然違います。


理由は、映画館の外では『魔法が解ける』からです。メッキが剥がれると言ってもいいです。映画の面白さの7割くらいは『劇場』という空間で醸成されるのです。


まずオトナ一枚1800円という世界一高い映画料金を払わされることで

「こんだけ払ったんだから否が応でも”面白いと思いたい”よね」

と元を取りたい気持ちが働きます。そしてトイレもタバコもスマホ弄りもおしゃべりも憚られる真っ暗な劇場で観客を『がんじがらめに拘束』します。もはや『映画を観るという行為』以外は許されない環境下に置かれるのです。


さらに巻き戻しも一時中断もできない、よく言えば『ライブ感満点』なデカい音とデカい画面で観客をトランス状態に持っていけば必然、「結構おもしろかったよね」という感想を抱いて劇場を去ることができるのです。つまり、『面白いと“思わされる”』のです。

 

これが家でみるとまぁ鑑賞態度、ならびに作品鑑賞における集中力は歴然たるものでして、アタクシの場合はとりわけ酷く、観ているうちに寝る。途中でスマホいじりだす。全部観ずにレンタル作品を返却する。もっと酷いと観てないくせに延滞し、高い延滞料金を払ったりすることが度々あります。
「面白いか面白くないか」の感想以前に、鑑賞に支障をきたしています。

 

そうでなくとも、TSUTAYAでレンタルした映画はまず1.5倍速で再生して観ます。もはや鑑賞というよりは、『物語の消化』です。

 

こういうことを書くと「なんたる冒涜!!このエセ映画ファンめ!!」


と、真っ当な映画ファンに石を投げられそうですがオススメです。2時間の映画もセリフを理解しながら80分で鑑賞できます。


1.5倍速で再生できず、タブレットの小さい画面で鑑賞を前提とするアマゾンプライムビデオやiTunes movie に至っては15分ごとにトイレやニュースアプリのプッシュ通知で中断するのは当たり前。


お陰で2時間の映画に1週間かけたこともザラにありますし、3度もレンタルしたのに最後まで観てない映画なんかも山ほどあります。単にその映画がつまらなかっただけかもしれませんが。

 

そんなわけで、大半の映画作品なんてのは『デカい音とデカい画面の映画館で見りゃ面白いのは当然』なのであって、スマホタブレットで観ても釘付けになるような作品が本当に面白い映画作品なのです。園子温監督の『愛のむきだし』とか4時間あるけど超オススメです。


そういう意味ではネット配信が充実し、ますます映画館離れが加速する昨今の映画事情において、よりシビアに映画の本質が問われているとも言えます。

 

「ってか、ただ単にアンタの集中力が散漫なだけなんじゃね?」

と言われりゃそれまでですが、30代おっさんになると本当に映画やドラマやアニメって疲れるんですよ。体力使うんですよ。

 

なぜなら映画やドラマやアニメは視覚と聴覚と時間を奪うからです。本なら視覚のみ、音楽なら聴覚のみ使えばいいのですが、映像を介した物語は、鑑賞にその両方を使います。

 

そして1.5倍速で観る俺のような人間を除けば、2時間なら2時間、きっちりと映像メディアは物語る時間を拘束するからです。
これが本なら本人の読書量と理解力によって完読は速くすることも、あるいはじっくり時間をかけることもできます。訓練を積むことで、コントロールが可能なのです。

 

もともと気が短いというのもありますが、テレビドラマやアニメなどのシリーズ物が苦手です。アニメ好きではあるんですが、年に何本も観ませんし、シンフォギア 全4期を消化するのも相当な労力を必要としました。ちゃんとストーリーを楽しんでたのは1期ぐらいです。

 

人気があればシーズン4だの5だの、延々と続編が作られる海外ドラマなんて絶対に手の出しようがなく、お陰で24もプリズン・ブレイクウォーキング・デッドも全く観たことがありません。アメリカ人ってホントに『大長編モノ』が好きなんだな…と思います。


「いや、お前だってMCUみたいなシリーズ映画好きじゃん」とか言われたことありますが、映画は作品ごとに単独で起承転結してますからね。続編モノであっても、クライマックスで「次回に続く!!」みたいなことは基本的にしないので。

 


まぁともかく、映画やテレビばかり見てないで、もっと本を読みましょう。
映像作品の大半は時間泥棒です。ミヒャエル・エンデの『モモ』です。


映画も本もアニメも音楽も好きな俺ですが、耐久力と表現の自由という点では活字に勝るメディアはないと思っています。

 


聖書のように1000年以上も『持ち堪える』という意味で、映画は本に遠く及ばず、視聴者がショック死することを避ける意味で、過激な映像には制限がかかります。その点では活字の表現力に、映像は敵いません。決して映像は『なんでも表現できるメディア』ではないのです。

 

50年前の作品にも気軽にアクセスでき、なおかつ約2時間で1つの物語を知ることができるという点で、映画は非常に便利な『物語るツール』ではあります。

 

でもゆめゆめ、耽溺なさらぬよう…結局のところ、あらゆる物語を深く知る上で、能動的に活字を読むことを避けるわけにはいかないのですから。要するに、『お勉強』を強いられるのです。

 

「じゃあなんで20年も映画ファンやってんだよお前」
なんて言われりゃ、


「だって好きなんだからしょうがないだろ!表現として優れているかどうかということと、好きかどうかということは別問題だ!!」

 

とか迷わず言いますけどね。


さて、来年3月公開の『ブラック・パンサー』まで観たい作品がないぞオイ。
いっそ映画離れしそうですねマジで。

 

まぁそんなわけ無いんですけど。