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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20180516『マルチナ、永遠のAI』

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最近読んだ面白い本


『マルチナ、永遠のAI。――AIと仮想通貨時代をどう生きるか』
(大村あつし著 ダイヤモンド社 2018)

 

仮想通貨、ブロックチューン、IoT、AI、シンギュラリティ、ディープラーニングなど、ここ最近よく聞くようになったデジタル技術を、小説を読みながら理解できる作品。
言わば、『マンガでわかる◯◯入門』の小説版です。


この手の作品は用語の解説ありきで、本編のお話が面白くないことがザラなんですが、この小説は本編もイッキ読みするほど良くできています。


まぁ作風がややラノベ寄りなので、“いかにも”な造形の幼なじみ女子や、SFモノでよくある
『愛に目覚めるAI(アイだけに)』が出てきますが、その辺はリアリティよりも娯楽小説だと割り切って読んでください。
今作に出てくる感情豊かなAIの実現はまだまだ先の話でしょうし。


生きているうちにキズナアイみたいなAIが完成したらいいなと思ってます。

 


もう一つ。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
新井紀子東洋経済新報社 2018)

 

これはマジでオススメ。
2018年2月に発行された本だけに、AIの最新事情、とりわけ

「AIには何ができて何ができないのか」がよく分かる内容となっております。


AIが人間を支配したり、自我が芽生えて人間を攻撃するといった、SF小説のような未来は当分来ないらしいですが、AIが仕事を奪う未来は確実にやってくるようです。


そして意外な事実として、現在のAIは未だ、『人間の言葉の意味を理解できない』らしいです。(Siriのような音声認識アプリは、人間の言葉が理解できるかのように”振舞っているだけ”とのこと)

 

そうと分かれば AIなど所詮はただのコンピューターであり計算機…そして人間がAIに勝る点として、言葉の意味を理解する…即ち『読解力』が挙げられるわけです。


ところが残念なことに今の中高生は教科書に書かれている内容を正しく理解できないほど、読解力が低下しているようです。
本書の後半に挙げられている例題を読み進める毎に、いい年した我々も読解力を試されているかのような緊張を覚えることでしょう。


教科書に書いてあることすらまともに理解できないお子様たちなんてAI以下…大人になったらAIに仕事を奪われて路頭に迷ってしまいますよと警鐘を鳴らすのが今作の趣旨でして、今を生きる大人ももちろん例外ではありません。


10代のお子様をお持ちの方は須くこの本を読むべきだと思いますし、そうでない方々もでこの本を読みつつ、

『自分の職業はAIに代替されてしまうのか否か』をよく考える必要があります。


どれほど少子高齢化が進もうとも移民を受け入れない我が国日本ですが、さればこそ遅かれ早かれマンパワーよりAIの力を借りる日が来るわけです。
そのとき我々にとって、AIとは乗りこなすべき道具なのか、はたまた跪くべき脅威なのか。

 

まぁワタクシ的にはぼっち歴10年以上ですので、制御できない人間より『道具』の方が好きです。

 

なので、早いとこAI技術が進んで“今よりもっと、1人で快適に生きていける社会”が来たらいいなと思ってますけど。