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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20180406 『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』

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ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』を観てきました。


今作は22年前に公開された『ジュマンジ』の今更ながらの続編でして、ワタクシこのシリーズの一作目には大変な愛着があるのですよ。

 

22年前…それまで映画といえば『となりのトトロ』とか『紅の豚』ぐらいしか知らなかったオレは、どういうわけだか親に連れて行ってもらい鑑賞した『ジュマンジ』に脳が灼かれるほどの衝撃を受け、帰りの車でサルのように興奮していたのを覚えています。


ジャングルを舞台にした不思議なボードゲームジュマンジ』では、双六を振って止まった目ごとにライオンやらサイやらコウモリの大群が現れ、大洪水や天変地異などが起こり、文字通り命がけのサバイバルゲームが展開されるのです。
いま見るとショボいCGですが、当時のオレはスクリーンに釘付けでした。


デカい音とデカい画面でしか味わえない『映画体験』…それ以来オレは映画の虜になってしまったのでした。

 

数年後にVHSでレンタルした時は「アレ?ひょっとしてあんまり面白くないんじゃね?」とか思ったのですが、やはり映画館で観るからこその面白さだったのでしょう。
子供ながらにちょっとガッカリしたのを覚えています。いま観ると一周回って「やっぱりメチャクチャ面白いわコレ」という感想なのですが。


まぁともかく、それから足繁く映画館に通っては大作映画に興奮し、中学から熱心に英語を勉強しては、「将来は戸田奈津子さんみたいに映画字幕を付ける仕事をしよう!」なんて本気で思っていました。


あれから22年…主演のロビン・ウィリアムズうつ病で首吊り自殺し、ヒロイン役だったキルスティン・ダンストはブスになり、そしてオレはアル中パチンカスになっていたのでした。


時の流れは残酷ですね。まさか死ぬとは思わなかったよロビン。
ああ無情。エリ・エリ・レマ・サバクタニ

 

まどマギで引いた全回転が2連で終わったり、『ポプテピピック』観て爆笑したり、『グレイテスト・ショーマン』3回観て深夜にストロングゼロ片手に『This Is Me』聴きながら鼻水垂らしてガチ泣きするしょーもないオッサンに成り果てるとはオレ自身も思っていなかったのですけど、何は無くとも生きていかなきゃいかんのですよマジで。
生きることを諦めちゃいかんのですよマジで。


…って、アレ何の話をしてましたっけオレ。

 

さて、今作『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』ですが、アメリカでは去年のクリスマス前に公開されており、全世界で9億ドル超えの超大ヒット。十二分に箔がついた上での、満を持しての日本上陸。まぁ22年前の作品なんて映画ファン以外は誰も知りませんしね。

 

主役を演じるのはロック様ことドウェイン・ジョンソン。筋肉スターがすっかり鳴りを潜めた今日のハリウッドにおいて、ジェイソン・スティサムばりにB級アクション映画でバリバリ体を張るロック様。
『エクスペンダブルズ4』が製作決定したので、ぜひ参戦してくださいよ兄貴。


22年前に碇ゲンドウを演じ、今や超売れっ子ナレーターとなった立木文彦がハイテンションで「遂に日本上陸ぅ!!!!」なんて予告編では煽っているのですが、まぁ本当にアガります。ホントに面白いです。でもコレ、ジュマンジの名を借りた別モノです。


前作との繋がりはほぼ無いですし、リメイク版『キャリー』を「軽薄なアイドル映画だ」と一蹴した方々には同等の感想を覚えるかもしれません。色々と物足りない部分があったのも正直な感想です。


でもコレ、前作をリアルタイムで鑑賞したオッサンにはマジで刺さりました。


前作では双六ゲームだったジュマンジが今度はテレビゲームになり、4人の少年少女がゲームのキャラになって大冒険します。
前作のように、特定のマス目に止まると何かが起こるみたいな要素は皆無です。ハッキリ言って前作が好きだった方に対してはファンサービスなんて一切無いです。


代わりに展開されるのは、90年代のレトロなRPGよろしく進んでいく”おつかいイベント”と、それをベースに少年少女が知力とスキルを尽くして困難を突破していく王道青春ドラマです。もうこの時点でオッサンの涙腺を刺激しています。


しかも各キャラがゲーム内で実装するアバターは、”なりたかった理想の自分”であり、また”なりたくなかった自分”であるのです。しかしながら各々が自分の特性を見出し、お互いを助け合うのです。

 

ラストの展開には幾分か不満があるものの、それでも涙が流れました。


30〜40代後半のベテラン俳優が渾身の演技で10代に成り切って純真な童貞処女演技を披露しています。これだけでもクッソ笑えますし、愛と勇気と友情が全てを救う冒険譚として、お子様にもオススメしたい作品です。そして何より…


何も降ってきやしなかった99年も、遠い先のことだと思っていたミレニアムも、絵空事にしか見えなかった翌年のカタストロフィも、否応が無く現実を呑み込んだ7年前の災厄も、全て経験した上でなお生きている幸運を噛み締めつつ、“こんなはずじゃなかった自分”を生きているオレですが、確かにそうであったとしても、

「それでも今の自分が一番好きだ。」

と自分を肯定している全てのオッサン達にぜひ観ていただきたい作品です。っていうか、オレのための映画です。


うん、何というか、オリジナル版に思い入れが強すぎですね。オレほど今作に感動したダメ人間はいないかもしれないですね。