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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20171130 『ギフテッド』

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休日なので、映画二本ハシゴしてきました。
どっかの中華料理居酒屋でパンフを写メるあたり、おっさんのテキトーっぷり全開なんですがご了承ください。


なお、多少のネタバレを含むので、『gifted / ギフテッド』と『IT /イット “それ”が見えたら、終わり。』を見る予定の方はその辺をご理解の上で読んでください。


映画『gifted /ギフテッド』を見てきました。


キャプテン・アメリカ”役で有名なクリス・エヴァンズが悩める等身大の30代おっさんを演じた感動作です。ガチ泣きしました。潤いが足りないおっさんには超おススメ。


「ウチの子は特別だ。」なんて、どの親も思うでしょう。
親バカなら「ウチの子は天才だ」なんて悦に入るかもしれません。


でも、自分の子供が本当に”超”天才だったとしたら…


実のところ、おっさんどころか万人におススメしたい映画なので、まずはこの予告編をご覧ください。↓


https://m.youtube.com/watch?v=t_DDhWxxarA


母親が自殺し、孤独な少女メアリー。彼女に寄り添って一緒に暮らす、叔父のフランク。
唯一の『友達』は、近所に住む40代の女性ロビータ。
そんな姪の身を案じ、学校に入学させるも、そこで彼女の”才能”が大勢に発覚してしまう。


「あの娘の才能を伸ばすことが、あの娘にとって本当に幸せなことなのよ!」
という祖母に対し


「姉さんはあの子に普通の暮らしをさせたがっていた。それが姉さんの遺言なんだ!」
と、譲らないフランク。

2人がメアリーを深く愛するからこそ、やがて彼女の親権を巡る法廷劇へとドラマは進展していく…。


っつーのがこの話のあらすじです。


面白いのは『トンビが鷹を産んだ』類の話ではなく、家族が代々、”その才能”を受け継いでいるという点です。
だからこそ、「そーいう家系なんだから、そーいう教育方針であるべきでしょ!!」


という祖母の言い分は分かりますし、
「だからウチの家族はイヤなんだよ!!」というフランク叔父さんの言い分もごもっともです。

 

ちなみにこのフランク叔父さんもまた、ある”才能”の持ち主でして、その片鱗がさりげなく描写されます。
それ故に「家族だからこそ、この禍根を断ち切りたい」というフランク叔父さんの切実な願いがよく分かるのです。


この辺が、人体実験で”後天的に”超能力を授かったキャプテン・アメリカことクリエヴァが嫌味無く演じるところに、なんというか人間讃歌を感じるのです。


そして天才少女を中心に描きつつ、決してそれを金持ち一家の高尚な悩みとしてではなく、ご近所の普遍的な『家族の物語』として描くあたり、地味ながらも監督の実力が全編に行き渡っていると思います。


しかも最小限のセリフと映像で『語る』のが、この監督の凄さだと思います。全編100分前後のコンパクトっぷり。

 

セリフよりも映像が饒舌なのはMTV出身の監督であるマーク・ウェブの手腕であって、この人は何気に『アメイジングスパイダーマン』を撮った凄い人なのです。


シリーズが打ち切りになってしまったのは大変残念ですが、この人がスパイダーマンシリーズ以前に撮ったラブストーリー映画である、『(500)日のサマー』はとにかくおススメでして、自身もBlu-rayで購入しては10回以上見ています。観たい方はBD 貸しますよ。

 


1番の見どころは、ちょっとネタバレになってしまいますが、
「私なんて要らない子なんでしょう?」と泣き叫ぶメアリーに対して、フランク叔父さんが取った行動ですね。

子供を持つ親なら涙腺が決壊するシーンだと思います。
かく言うオレも独身なのにボロ泣きしましたが。

 

続けて観たのが現在たいへん話題になっている大ヒットホラー映画『IT /イット “それ”が見えたら、終わり。』です。


職場の方からは「クッソつまらない」という貴重なご意見を頂きましたし、ネットでは「超コワイ」という感想もあるので、こりゃ賛否両論のバクチものだな…と。

 

両極端な評価の映画ってのは、超面白いかとことん合わないかの二択ですので、うまくいけば極上の2時間を味わえるのではないかと思い鑑賞してきました。


…うん、まぁ、この映画がつまらなかったという意見も分かりますし、怖かったという感想も分かります。

 

アタクシ的には全然怖くなかったんですけど、これ青春映画として見れば相当いいと思うんですよ。


同原作者の作品である『スタンドバイミー』の要素が非常に多く、少年達が力を合わせて各々の”悪夢”に立ち向かう冒険譚としては良く出来ています。


大人はみんなサイテーでロクデナシ、いじめっ子達はとにかくムカつくし、ガキンチョ達はいちいち下ネタを飛ばす。おまけに言葉遣いも汚らしい。
ヒロインはちょっとエッチで、そして子供たちは大人が思う以上に勇敢で、それでいて残酷だ。


猥雑で低俗で暴力的だけど、愛と勇気と友情で困難を乗り越える『こどもという存在』の小さな混沌を描いています。


コレは多くの少年少女に観て欲しいですね。おっさんには全然怖くないですけど、中学生くらいならトラウマなんじゃないかと。
でも残念ながら今作はR15なんですよ。14歳以下は観られないんですよ、イロイロと生々しいので。


なので中学生の子供がいるお父さんは、レンタル開始されたらこっそり観せてあげて下さい。
トラウマになっても責任取りません。