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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20171117 『GODZILLA 怪獣惑星』

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戦死‼︎絶叫‼︎新ゴジラ‼︎


アニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』を観てきました。
のっけからシンフォギア のパロディですいません。


今作は色々とブッ飛びながらも、全く新しいゴジラでした。
メチャクチャ興奮したんですけど。ガラガラの映画館で。

 

怪獣王ゴジラ
破壊の権化
人類の敵
ロード・オブ・ジェノサイド

 

2014年にハリウッドで再リメイクされたギャレス版『ゴジラ』を経て、国内では『シンゴジラ』が空前の大ヒットを飛ばし、そしてフルCGアニメーションゴジラが遂に公開…。


シリーズ初であるこのアニメ版ゴジラ虚淵玄脚本で3部作ですよ。主演に宮野真守でヒロインはざーさんですよ。たぶんアニオタ以外は全く期待してないですよ。劇場はガラガラでしたし。


ただ、これがシンゴジ人気にあやかって作られたわけではなく、制作発表の時期を考えれば、ハリウッド版ゴジラの企画を含めて日米で進められていたゴジラリブート企画だったに違いありません(とか断言しておきながら内情は知りませんけど)


まぁシンゴジ特需のおかげで、しばらくはゴジラ熱が日本を席巻する…ハズです。


でもくどいようですが場内はガラガラでした(しつこい)
やっぱり一部の特オタのおっさんが騒いでいるだけで、ゴジラ人気は嘘なのでは…とか割と本気で思っています。


ウィキペディアやその他の映画ブログを調べて分かったのですが、ゴジラというコンテンツは、その多大なる知名度に反して作りにくいコンテンツらしいですね。


核実験の影響で生まれた大怪獣ゴジラ反戦や核の恐怖を象徴したパニック映画として生まれたゴジラは、時代の流れとともに敵から味方になり、そしていつしか『子供向けの陳腐な怪獣プロレス映画』となり、やがて人気が低迷するとともにシリーズは1975年に終了。


10年後に『原点回帰』として復活したゴジラはそれまでの設定をリセットし、シリアスな作風で作られるも、やっぱりその後は再びプロレス路線へ。以後、2回ほどゴジラシリーズはリブートされます。


人気が落ちると打ち切られ、設定をリセットしては忘れた頃に蘇るという、『破壊と再生を繰り返すコンテンツ』がこの『ゴジラ映画』というものなのです。

 

だいたい、シンゴジ以前の作品と言えば2004年公開の『ゴジラ FINAL WARS』ですからね。10年以上も音沙汰無かったわけですよ。フツーに考えたらオワコンですよ。


剣呑なことを言わせて頂くなら、⒊11が無ければシンゴジラの企画は無かったでしょうし、監督が庵野秀明じゃなかったらあれほどヒットしなかったでしょう。

 

オレもオレで、庵野秀明が撮ったから観に行ったクチであって、それまで見たゴジラの名を冠するものと言えば、エメリッヒ版ゴジラとギャレス版ゴジラですからね(どっちもハリウッドリメイク作)


そもそもウルトラマンやその他の特撮ヒーローものが今でもテレビで人気なのですから、
『着ぐるみがプロレスやったりミニチュアの街を蹴散らす光景』なんてのはカネ払って見るようなものじゃないです。


わざわざカネ払って見るのなら度肝を抜くような破壊と恐怖とスペクタクルがあるべきなのですが、子供がPTSDになったり親御さんからクレームが入るご時世なので、遅かれ早かれゴジラは再び陳腐な路線を辿ってしまうような気がします。


そういう意味で言えば1999年公開の『ガメラ3 イリス覚醒』なんて人がゴミのように死にますからね。あれこそカネを払うに値する特撮だと思います。脚本はアレでしたけど。


余談ですが、当時無名だった仲間由紀恵が出てきて速攻で酷い死に様を晒したり、前田愛が制服姿で粘液まみれになったりと、いろんな意味でスゴい映画でした…中学の頃に劇場で見れて良かったです。


さて、いい加減本編の内容に触れようかと思います。


20世紀の終わり…突如として地上に現れた無数の怪獣たち…人類は総力を挙げて必死の抵抗を試みるも、怪獣たちの中でも群を抜いて驚異的な強さを誇るゴジラによって滅亡の危機に瀕していた。


やがて人間たちは地球を諦めて宇宙へ飛び立ち、居住可能な惑星を求めながら、宇宙コロニーで生活していた。


それから20年…見つからぬ新天地、枯渇する食料…絶望的なムードが漂う中、人類は再び地球を目指す。今度こそゴジラを殲滅し、地上を再び人類の手に取り戻すために。


…というのが今作のあらすじでして、開幕から圧倒的な絶望感、人類涙目、
ゴジラ強すぎワロタwww ワロタ……。」
と、虚淵玄お得意のダークな世界観全開です。


この時点でお子様はもう振り落とされますし、セルルックのカクカクしたCGアニメーションとSF色の強い作風に


「こんなの絶対ゴジラ映画じゃない」という拒絶反応を起こす人もいるでしょう。


でも生誕から60年を超えるこのシリーズ…反核映画であり、災害シミュレーション映画であり、子供向けプロレス映画であり、時には子供にすら相手にされないクソ映画でもあるのがこの『ゴジラ映画』というジャンルなのです。


もはや何でもあり。シリーズ初のアニメ版ゴジラはこのくらい毛色が変わった方が面白いです。
ゴジラかくあるべし」みたいな『俺のゴジラ観』は捨てて、新しいゴジラを楽しみましょう。


今作は3部作の壮大な序章でした。見せ場はありますが、少々物足りないです。


とはいえ、1800円分の元は取れるくらい重厚な作品になっています。ゴジラファンの方も、シンゴジラから入った方も、シリーズ未見のアニメファンの方もぜひ。


あと、この3部作の前日譚に当たる小説『GODZILLA 怪獣黙示録』が発売中です。
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