20170804 『トランスフォーマー 最後の騎士王』
最近読んだ面白い本
『フェイクニュースの見分け方』
(烏賀陽弘道 著 新潮新書 2017)
LINE NEWSで取り上げられていたので購入。
タイトルから勝手に想像していた内容は、ネットに散らばる有象無象の匿名記事を取捨選択する類だと思っていたのですが、これがまた全然違う。(ネット記事にも本書は触れてはいますが…)
新聞や雑誌、ノンフィクションなど、我々が『カネを払って読む記事』(カネを払っているが故に信用したくなる情報…信用=CREDIT≒カネ)にもバイアス、虚偽、正確さを欠く内容が多分に含まれています。
信用に足る記事は文章のどこに注目して判断すれば良いのか、その『見極めるためのテクニック』を、実際に市場に出回っている膨大な悪文を参照しながらレクチャーしてくれます。
この本を熟読すれば日々溢れる情報に対する『批判的な読み方』を養うことができますし(とはいえ、元新聞記者である筆者の情報分析力ははかなり高度なので、一朝一夕に身につけられる物ではないです。念のため。)、そもそも偏向記事が書かれる理由は、人間は複雑多面でありながら我々が『善か悪か、喜劇か悲劇か』などといった単純で分かりやすい物語を求めるからだという『我々自身の問題』を知ることもできます。
ハウツー本としてもいいですし、何より読み物として面白い。大学生以上の方にオススメです。
さて、今日も映画を見てきましたよ。『トランスフォーマー 最後の騎士王』をIMAX3Dで‼︎(パンフ代含めると余裕の3000円超えっていう…)
シリーズ生誕10周年…5作目にして、感想は
『相変わらず同じことやってる』既視感ありありの、『いつものトランスフォーマー』でした。未見のファンの方はこの一文でお察しください。
先週見た『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』IMAX3D版があまりにもクソだったので(ダークユニバース第一弾にしてあの出来とは…企画中止した方がいいよマジで)
「ハズれるとダメージでかいから、安い通常版で観ようかな」
とか思っていたんですが、さすがはトランスフォーマーシリーズ。これこそIMAX3Dで見る価値のある映像密度の濃い娯楽大作です。
このシリーズを手がけるのはハリウッドの爆破番長マイケル・ベイ監督です。
かつてアクション映画ファンが満場一致で激推しする傑作アクション巨編『ザ・ロック』を世に放ち、続く『アルマゲドン』『パールハーバー』『バッドボーイズ2』で
「ザ・ロックの出来はマグレだったんだな」
とファンを微妙な気持ちにさせた罪な男。
『細けぇことはいいんだよ!』が彼のスタイルだったことに気づくのは、上記の三本を見た後でした。その後『アイランド』を観ても評価は変わりませんでした。むしろ気づいたら好きになってました。
ベイヘム(ベイ監督&メイヘム/大騒乱)の異名を持つ彼の作品は、ド派手なカーチェイス&銃撃&大爆発が延々と続きます。
そしてストーリーは毎回お粗末かつやたら長く(ほとんど2時間越え)全編MTV状態の過剰に映えるクドい絵作り(セクシー過ぎる女優/スローモーションで飛ぶヘリ/巨大なセット/アメリカ万歳な星条旗)ゆえに、彼の作品を鑑賞するには途方も無いカロリーを消費します。
家で見ていたら最低5回はトイレと食事休憩を挟みます。
そんなラーメンで例えればラーメン二郎(ヤサイニンニクアブラマシマシ)な、大味でコッテリした映画を撮り続けるマイケル・ベイ監督。ついに『トランスフォーマー』シリーズを、今作を持って降板するようです。
まぁ通算4度目の降板宣言なんですけどね。
(要するに、シリーズ撮る度に「もう辞める」発言してる)
頼まれると断れないあたり、なんだかんだ生真面目な人なんだと思います。
「今の映画はダメだ。続編かリメイクばかりでクソだ」
とかセリフで言わせちゃうあたり(ダメだろそれ)、そろそろ本気でオリジナル作品を撮りたがっているのではないかと思っています。
そんなわけでベイ監督最新作にして最終作(んなわけ無い)である、『トランスフォーマー 最後の騎士王』をぜひ大画面で観てください。
相変わらず長いので、ドリンク飲んじゃダメですよ。
そろそろ『ザ・ロック』みたいな傑作を期待してます。マジで。
※追記…(調べてみたら『13時間』っていう作品を最近撮ったらしいです。ザ・ロック超えしてるらしいですが日本じゃビデオスルー扱いっていう…)