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9割は映画、たまにアニメや本の感想。

20170629 『ハクソー・リッジ』

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戦争映画『ハクソー・リッジ』をニコタマで見て来ました。


戦争映画ってなかなか感想を書くのが難しいんですよね。
なんでかと言うと、『面白い』という感想が不謹慎だからです。


未来ある若者たちが戦争に駆り出され、マシンガンで穴だらけになり、手榴弾で爆発飛散し、
モツはみ出して「ファックファック」言いながら死んでいく様を悲しい目で見つめながら


『戦争は良くない!』とか『戦争は悲しみしか生まない』


といった重苦しい感想を求められるからです。


いや、確かにそれは正しいし正論なんですけど、そんな優等生ぶった感想なんかクソ面白くもなんともないんですよ。


俺みたいな野蛮人は「ド派手で暴力的なアクションが見たい」から戦争映画を観るわけですよ。血が騒ぐし面白くて仕方がないんですよ。


ブラックホークダウン』のような2時間ブッ続く銃撃戦に高揚し、『ランボー最後の戦場』や『プライベートライアン』のような肉片飛び散る戦闘シーンに昂ってしまうのですよ。


あ、「人間同士の殺戮に興奮するなんて良心が痛む」と言うならば『スターシップ・トゥルーパーズ』っていう映画もありますよ(ゲス顔)

 


そもそも暴力を正視できない人が戦争映画なんてカネ払って見るはずが無いですし、こういう作品に1800円出して観る層なんてオオカミに育てられた野生児か、『ムカデ人間2』をメシ食いながら鑑賞する変態だと相場が決まってるんですよ‼︎‼︎(超暴論)

 

 

さて、いいかげん本題に入りますが、今作はライフルを持たず、銃弾飛び交う激戦区で仲間をひたすら助け続けた男の物語です。


実話を基にしており、しかも『沖縄での戦闘』であることを前宣伝では一切行なっていなかったことから、某掲示板では「日本人を悪く描いてる」だの「事実を脚色してる」だので荒れに荒れてます。ネットの感想は無視したほうがいいです。


あくまで1人の勇敢な男の活躍を描いた物語であり、『日本とアメリカの戦争モノ』として観てしまうと主観がブレます。


ただ、英雄譚でありながらも、監督のメルギブソン

「あの激戦区に丸腰で飛び込むなんて狂人に違いない(大意)」

とパンフで言及しているように、主人公の細かい仕草や表情に
「コイツちょっと頭おかしい」という印象を受けます。


実際、衛生兵として志願しながら、ライフルの所持を頑なに拒否し、訓練所では上官にも仲間からもイジメられます。にも関わらず絶対に「非暴力」を貫く姿勢は、高潔というより単なる問題児です。


命令聞かないし仲間も援護してくれないようなヤツが自分の部下にいたら説教じゃ済まないですよ。
クビですよクビ。


主演のアンドリュー・ガーフィールドがイケメンだったから好青年っぽく見えましたが、コレがサエない無名の俳優が演じてたらブン殴りたくなりますよ。


余談ですが『アメイジングスパイダーマン』がコケてシリーズ打ち切りになったのは、ピーター・パーカーが単なるイケメンのリア充にしか見えなかったからに違いありません‼︎(断言)


英雄と狂人は紙一重と言いますか、偉業を成し遂げる人間は良くも悪くも『信念に取り憑かれている』ということでしょう。よく分からなかった方はリュック・ベッソン監督の『ジャンヌダルク』を観て下さい。


基本的に美談として監督は今作を描いていますが、ド派手な戦闘シーンに興奮しつつ、作品の隅で見え隠れする『狂気』にも注目してほしいと思います。