タイムライン

9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2020/04/26映画秘宝復刊

f:id:strawdog48:20200426205552j:plain

 

皆様こんにちは。相変わらず引きこもってます。コロナ不況ですが無職にはノーダメージです。パチンコ打てなくて残念ですけど。

 

 

万引き家族』や『パラサイト』がそれなりにヒットした日本においてもまだまだ「貧乏は自己責任」論が根強いですが、ほんの数か月で社会が一変して、政府もロクな補償をしてくれないと分かった時、「こんなはずじゃなかった」と呟く人も多いでしょう。

 

貧困はすぐそこにある。自粛生活中の皆様は『闇金ウシジマくん』や『健康で文化的な最低限度の生活』を読んでみるといいです。

 

闇金ウシジマくん(1) (ビッグコミックス)
 
健康で文化的な最低限度の生活 1 (ビッグコミックス)

健康で文化的な最低限度の生活 1 (ビッグコミックス)

 

 

 

まぁともかく…。

 

 

ボンクラ映画ファンの聖典映画秘宝復活。

 

2020年3月号(1月21日発売)をもって一度休刊した映画雑誌…それが3か月後の4月24日に復刊しました。おかえりなさい映画秘宝

 

唯一無二の映画雑誌。

100日後に復活する映画雑誌。

相変わらず高い映画雑誌(税込み1320円)。

 

雑誌が売れない中、毎月ツイッターで発売告知しては盛り上がり、アマゾンで完売連発していたので赤字廃刊だとは思っていませんでしたが、帰ってくるのは早かったですね。何はともあれ、また読めてうれしいです。

 

25年来の映画ファンであるアタクシも当然ながら読んでおり、高校生ぐらいの時から読んでいました。といっても当時はカネが無かったので立ち読みメインでしたが。

 

プレミア、ロードショー、スクリーン、CUT等、ハリウッドの一流スターの顔写真が表紙を飾る映画雑誌が連なる中で明らかに異彩を放っていた映画雑誌、それが映画秘宝でした。

 

一目見てオシャレや華やかさとは程遠いゴテゴテした装丁、ページをめくると最新映画からB級、Z級のビデオスルー映画まで余すことなく紹介され、映画マニアのライター達の熱のこもった文章が雑誌の端から端までビッシリと書き連ねられていました。特にギンティ小林さんの文章はホントに面白かったです。

質、量ともに圧倒的であり、とにかく”濃い”の一言でした。そして値段も高かった。

 

カネが無い高校時代は本屋で長時間立ち読みし、バイトをするようになった大学時代は不定期に買っていました。毎月買えるほど財力は無かったので。

 

社会人になってからも読んでいましたが、多忙さゆえに購読する気が起きず、しばらくは疎遠になっていました。ここ10年くらいは数か月に一回くらいしか読んでいなかったと思います。そのくらい読んだ記憶も買った記憶もないのです。

 

ツイッターを始めたのがここ2年くらいなので、それまではSNS上で盛り上がっているなんて知りもしませんでした。今も昔もファンは多かったのですねぇ。

 

一緒に盛り上がりたいのは、いちファンとして当然のこと。アタクシもアタクシで、映画秘宝最新号が発売されては買い、インスタやツイッターにアップしてました。

 

まぁそんなこんなで自分の半生に寄り添い、彩りを添えてくれた映画雑誌なのですが、実はちょっと醒めている自分もいるのです。

 

食べきれないほどのメガ盛りランチのように毎回情報量の多い雑誌だけに、端から端まで食い入るように読んだということは高校時代からありませんでした。好きなライターのページはじっくり読んでいましたけど。主に町山智浩さんとかギンティ小林さんとか。

 

年を重ねるにつれて、買いはするけど読むページ数は自分の中で減っていきました。単に年を取ったというのもありますし、仕事は忙しかったですし(今は無職ですけど)。そしてネットで日々、無数の映画記事に触れているからもあります。密度の濃い映画ブログをタダで読んでいると、わざわざ高いカネを払って秘宝を特別視する必要はなくなったのです。

 

自分が十代の頃は、映画秘宝は特別でした。純粋に読み物として面白く、そしてアングラ的でした。日陰者である映画マニアのための特別な映画雑誌でした。でもアングラだからこそ密かに楽しんでいたというのもあります。

 

「アンチ権力!ビバ自由!」な好き放題やってる映画雑誌が今や”日本で一番売れている映画雑誌”なのです。結局は映画秘宝それ自体がある種の権力を持ってしまう哀しさ。ファンが勝手に失望する類のもの。「もう俺の知ってる映画秘宝じゃない」とかホザく類のもの。素直に喜べばいいのに素直に喜べないアタクシ。それはたぶん、良くも悪くも自分がオジサンになったということでしょう。

 

そして何より自分自身がボンクラではなくなったのかもしれません。ボンクラの定義は自分でも定かじゃないですが、バカ映画を一生懸命になって愛していた昔とはちょっと違う。バカ映画を今の映画業界が大手を振って作らなくなったのもありますけど。そして20年以上も同じ映画雑誌に熱狂するわけじゃない。飽きてきているのも事実ですもん。

 

でも幾つかの映画雑誌が廃刊し、そして存続もしている今、唯一読んでいるのもまた映画秘宝なのです。そしてこれからも読み続けることでしょう。雑誌の熱量に反比例して冷めている自分を理解しつつ、でもやっぱり熱を感じていたいのは事実なのです。

 

 

「だって私、あの人を追いかけている私が好きなんだもの。」

(映画『千年女優』より)

 

 

千年女優 [Blu-ray]

千年女優 [Blu-ray]

  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: Blu-ray
 
映画秘宝 2020年6月号 [雑誌]

映画秘宝 2020年6月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/04/21
  • メディア: 雑誌