20171009 『RWBY』
『RWBY(ルビー)』volume4の吹替版を109シネマズ川崎で鑑賞してきました。
仕事の都合で初日の鑑賞は叶わず、劇場限定版のBDはすでに売り切れていました。まだ公開3日目だと言うのに。
RWBYも人気になったものですね。2年前に第1期の吹替版が上映された時は場内もガラガラかつ余裕でBD購入できたのに。
なんとも複雑な気分。
今年の7月に地上波で総集編が放送されたので、日本でもアニメファンの間でそれなりに知名度が上がったかと思われるアメリカ発の3DCGアニメーション作品。
日本の美少女アニメのデザインを模倣してはいますが、ノリやギャグは完全にメリケン仕様というハイブリッドな作品です。
元々はアニメやゲーム好きが集まって起業した同人サークルノリの会社である『ルースター・ティース』が作った素人の手作り感漂う作品でして、まぁ第1期なんかは見た目からして低予算臭がプンプンします。(モブとか黒塗りだし)
日本の美麗なセルアニメに見慣れた方からは
「ニコ動のMMDアニメじゃんコレ」
という感想は数年前にネット上では散見されました。
今だったら「けものフレンズじゃんコレ」みたいな感想が出るかと思いますが。
そしてキャラクターの声は全て制作スタッフが担当しているというコスト削減っぷり…なおかつ制作費の調達はファンの皆様からのカンパ(会員にスポンサーになってもらうシステム)という。
俺もかつて月々3ドルくらい援助してました。
これでただ単に日本の美少女アニメをパクっただけの作風なら安っぽいイロモノ作品で終わるわけですが、見た目はショボくてもチープな印象を受けない理由は、ギミック満載の武器を駆使した、見るものの度肝を抜くハイスピードアクションがあるからです。
シリーズの生みの親であり、アクションに強いこだわりのあるモンティ・オウム氏が手がけた、『疾風怒濤』のアクションシークエンスを初めて観たときには、全身に衝撃が走りました。
未見の方にはコレとコレがおすすめ↓
https://www.youtube.com/watch?v=pYW2GmHB5xs&sns=em
https://www.youtube.com/watch?v=ImKCt7BD4U4&sns=em
ところがこのモンティ氏が、第2期終了後に突然の逝去…
シリーズ打ち切りの危機に立たされながらも、彼の意志を継ぐスタッフ達の手により作られた第3期は、アクションのレベルこそ落ちたものの、それをモノともしないクライマックス連続のストーリー展開によって、過去最高の盛り上がりを見せたのでした。
シリーズ開始から4年…今では世界中でファンを獲得し、公式がYouTubeで全話完全無料で公開しているこのシリーズには、世界中の有志達が数十カ国語の字幕を付けています(もちろん日本語字幕もあります)
そして2年前から豪華声優陣による吹替版が一部の劇場で小規模公開されて知名度は徐々に上がり、今年7月に総集編が地上波放映&第4期の吹替版が10月に遂に公開…と、現在に至るわけです。
…なんて書くと、紆余曲折ありながらも右肩上がりに人気も作品のクオリティも上がっているように見えるのですが、曲者なのがこの第4期でして、賛否両論の作風となっております。
グラフィックこそ大幅に向上し、予算も大幅に増えて大作感を覚えるわけですが、兎にも角にも話が暗い!!重苦しい!!アクション少なめ!!敵キャラに魅力無し!!
『紛れもなく、劣化した』と、昨年のオレはそう思いました。
第4期は主人公達が『喪失を受け入れつつ、そして乗り越えるための重要な物語』だったのは今でこそ分かりますが、満場一致で最高傑作だった3期からの落差は当時のオレにはとてつもないものでした。
心底失望したオレは第4期を全話欠かさず見たものの、完結以来リピートすることなく第3期ばかり繰り返して観ていました。
テレビ版で興味が湧いた方はYouTubeか劇場で4期を観て、あまりのトーンの変化に面食らうかもしれません。
そして今日、8ヶ月ぶりに第4期を劇場版という形で向き合い、ようやく今期を受け入れることができました。
何にせよ、長編ドラマというものは、只々怠惰に物語を消費する側にも、その内容を咀嚼するだけでなく、反芻する必要を迫るのです。
そして今週末14日から、第5期が公式サイトで配信されるのです。
世界中で人気を博しながら、それでいてなお、全編完全無料で鑑賞できるサービス精神溢れる作品です。
生みの親であるモンティ・オウムの手を離れてなお綴られる物語は『新生RWBY』か、或いは『似て非なるもの』か。
週末から公開される第5期がその分水嶺となるわけで、不安を抱えつつも、ファンの俺は期待しながら待っています。
最後に一言…ピュラさんホントに素敵でした。ガチで(キモッ)