タイムライン

9割は映画、たまにアニメや本の感想。

2019/7/26 『天気の子』

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株とインスタやってたらタイムラインを一ヶ月も放置してました。申し訳ありません。


それにしても、『天気の子』で絶対儲かると思っていた東宝の株価が大暴落し(公開前に売ったから損失無いけど)、メガヒット連発のウォルト・ディズニーの株価が微動だにしないので、株ってつくづく読めねぇな…と思います。


それでもなんだかんだ儲かっているので、老後の2000万を確保したいなら株をオススメします。特にアメリカ株。

 

 

まぁともかく…

 

 


映画『天気の子』を観ました。もう既に3回観ました。

”この映画を観るまでは、打たれても刺されてもトラックに轢かれても死ねません“的なことを以前に書いてましたけど↓

 

strawdog48.hatenablog.com


なんだかそのフレーズが不謹慎に聞こえてくるから現実は残酷なのですが、何は無くとも生きてこの作品を観ることができた奇跡に感謝なのです。

 

とはいえ、初見で“リピート確定案件やコレ!”とガツンと来る作品かというとそうではなく、オレ自身も鑑賞直後は「んっ?んー…」という印象を受けまして、一晩経ってジワジワと余韻が込み上げてきたのでした。


忘れていたのです。あまりにも『君の名は。』が垢抜けていたので、新海誠作品のクセの強さを忘れていたのでした。

 

そもそも万人ウケ(ただ単に話題だから観た人もいるでしょうけど)した『君の名は。』が異質だっただけで、この『天気の子』が本来の新海誠らしい作品なのだと思いました。


初見で思ったのが「これってなんだか、『雲のむこう、約束の場所』と同じ匂いがするなぁ」という感想でした。とにかく多くの要素を詰め込んだ作品であり、拙さが色濃く残る初期の佳作であり、賛否分かれる作品です。(特に小説版を読むと。)


“一人で作ったアニメ”という触れ込みで注目された『ほしのこえ』の次に作られた長編アニメ映画なのですが、まぁこれがけっこう評価が難しいです。一言で言えばカオス。初の長編SFファンタジーゆえに、いろいろと“できてない”作品でした。


並行世界やらユニオンの塔、南北分断とかイロイロと小難しい設定を散りばめているのですが、それらに対して明確な説明がなく、それでいて飛行機を作るスーパー中学生や『北の国から』のパロディなど、もはや突っ込みきれないほどのツッコミどころを目一杯ブッ込んだSFファンタジー作品でして、フィルマークスやみんなのシネマレビューでの低評価も頷けるごった煮作品です。


まぁそもそも新海監督は、もともとファンタジーを作るのに向いてないんだと思います。『ほしのこえ』が商業メジャー作品としてヒットしたゆえにSFファンタジーを題材として2作目に取り組んだのでしょうけど、苦労して作ったのがわかります。


よせばいいのにその後も『星を追う子ども』みたいな映画を作るので必然と、肩の力を抜いて作った短編である『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』みたいな日常モノの評価が爆上がりするわけです。むしろこっちの方が向いているので、ひさびさにコッチ系の作品が観たいのですけど。


とはいえ監督自身は本心として「観客を楽しませたい」というサービス精神ゆえに、不得手とする娯楽ファンタジーに果敢にも挑むのです。向き不向きは別として。
つくづく真面目な方だと思います。


メガヒットした『君の名は。』も、「『雲のむこう、約束の場所』のリメイクだ」という感想をネットで幾度も目にしたので、この『雲の向こう〜』は、今の監督の作風の“原風景”となる作品として押さえておいた方がいいと思います。似たようなシーンはけっこうあります。『君の名は。』と『天気の子』は似て非なる作品ですが、『雲のむこう〜』は両作品の根幹を成す作品だと思っています。

 

特に今ならアマゾンプライムビデオで見放題ですので、初期の新海作品に触れるチャンスです。
面白さは保証しませんけど(オイ

 

『天気の子』は商業上の理由として『君の名は。』と似た要素は少なからずありますけれども、“売れたけれども忖度せずに作りたいものを作る”という初期のインディーズ魂も枯れていない野心作だと思っています。


同時にまたしてもSF(むしろオカルトか)ファンタジーとして娯楽大作を世に放つ新海監督のチャレンジ精神に胸を打たれるのです。

 

まぁ小難しいことは考えず、話題作なので一度は鑑賞してみてはいかがでしょうか。
本田翼が演じる夏美さんがエロ可愛くて素敵です。『言の葉の庭』の雪野先生や『君の名は。』の奥寺先輩に続く、童貞の理想の擬人化みたいなお姉さんキャラです。


予告編の“棒演技”に鑑賞を躊躇した方もぜひ観ましょう。
なかなかのハマり役だと思います。